太古の昔に外界から隔離され、独自の進化を遂げた生物が生息している南米のギアナ高地に固有の食虫植物。
その他には見られない奇怪なフォルムに魅了された方々も多いのではないだろうか。
葉が丸まってできた管状のトラップを持ち、葉上部のネクタースプーンと呼ばれる器官で昆虫などを誘引している。
ピッチャー内面には下向きに生えた毛で覆われており、獲物を下部へ押し込む構造となっている。内部には雨水が溜まっており、溺死した獲物はバクテリア等に分解されて養分となる。
自生地の環境からか、冷涼多湿に加え風通しまで要求するため、日本の気候ではなかなか栽培が難しい。
H.ヘテロドクサとH.ミノールとの交配種は、強健であり屋外でも栽培が可能であるが、やはり室内で栽培するほうが美しく育つように思える。
ヘリアンフォラ ヘテロドクサ×ミノール
Heliamphora heterodoxa x minor
2020.1.27撮影
雑種強勢と言うべきだろうか。高温低湿度にも耐え、丈夫でよく育つので栽培入門にはお勧め。
2020.1.22撮影
2020.1.26撮影
当方では東向きの窓際に水槽を設置し、午前中のみ太陽光でそれ以降は植物育成灯を当てている。
よくある底上げ式の水槽栽培で、タイマー制御のミストメーカーで高湿度を保ち、同じくタイマー制御の冷却ファンで送風を行っている。
夏の間はアクアリウム用のクーラーで、昼は27℃前後、夜は18℃前後で調整。
冬は熱帯魚用のヒーター(サーモスタットとは別)で同じように管理。
こまめに水を継ぎ足さなければならないことと、ファンやクーラーの音が結構うるさいのが難点。あと栽培スペースが水槽の大きさに依存する。
用土はミズゴケ単用。
環境の変化に敏感で、引っ越し先で同じような環境にしたが、交配種以外は弱って枯れてしまった。