クロンキスト体系などではモウセンゴケ科だったが、APG体系ではドロソフィルム科に割り当てられ、1科1属1種となった。
分布は西地中海地域(ポルトガル、スペイン、モロッコ)、乾燥した土壌で育つ数少ない食虫植物の一つ。
独特な香りがあり、虫を誘引する。モウセンゴケと同じように粘液を出し、昆虫などを捕らえ、消化吸収する。
かなり積極的に捕虫するため、ハエ取り紙の代わりに置いても良いかもしれない。
捕らえられた虫 202010.10撮影
独特の香りには、ほとんどの場合ハエが誘引され捕らえられている。
他の食虫植物の粘液と比べても粘着性が強く、一度捕らえられれば抜け出すのは至難の業である。もがけばもがくほど粘液が体に纏わりつき、最終的には粘液に気門を塞がれ窒息死するか何もできず衰弱死するという虫にとっては地獄の2択を迫られることとなる。
その後、消化酵素を分泌し、栄養を吸収する。
秋ごろが最も捕虫が多いように感じる。
風の強いところに置いておくと、ごみも付いてしまうのでなるべく風が穏やかな場所がよいと思う。
2016.10.2撮影
2020.10.10撮影
当方では、なるべく日光が長く当たる場所のフレーム中で育てている。
乾燥した土壌に生育するため、水は上からではなく下から吸わせる形にしている。
他の食虫植物のように葉挿しなどの栄養繁殖ができないので、種は必ず確保する。自家受粉するので、種は自然に出来上がっている。
用土は鹿沼土単用。植え替えを嫌うので、最初から大きめの鉢に種を植える。
雨に当てないためにフレームに入れているが、鉢の大きさもあり、数が増えてくるとスペースの確保が課題。
日当たりがよく、雨に当たらず、強風も当たらない場所がなかなか無いので置き場所に苦慮する。
種は新鮮なうちに播くと大体一か月ほどで発芽する。ただし、打ち捨てた鉢から発芽していたりと、種子の寿命自体は長いようだ。
ジベレリン処理や種に傷をつけるとなお良いそうであるが、当方では特に処理はせず、発芽した苗を選別する形をとっている。
今度からはジフィーポットで大量に生産してみたいものである。置き場所が課題だが…。