北へ

神殿の北には複数の仏教建築がある(取り壊される予定)。さらに行くと、乱雑に置かれた岩の中に、13世紀以降の彫刻が施された岩石(象や鰐、蛇の縁取りのある階段)がある。鰐の上で生贄が捧げられたという言い伝えがあるが、証明することは困難である。

(象の彫刻、ワット・プー公式サイトより)

恐らく12世紀のものであろう、倒壊した砂岩の瞑想室(巨大な基礎、壁、天井)もある。倒壊後に部材があまり散逸せず、比較的まとまって旧位置に残っているため、建物の復元が可能であることが指摘されている。この建物が倒壊したのは、主殿の西側一帯を襲った崖崩れと同時期と考えられている。

参考: 上野 邦一 1992 『ラオス・ワットプー遺跡の倒壊した小建築の復原