最初の階段を上ると、石段で支えられた細長い基壇に出る。その端には、ドバラパーラ(守門神)がある二つの小さな建築物(13世紀、いまは崩壊)があり、二つ目の階段がある。北側のドバラパーラは今も立っている。彼は片手に棍棒を持ち、もう片方の手は心臓の上に置き敬意を表している。当地の歴史では、彼はワット・プーを建てた伝説のカマタ王と考えられていた。
(北側のドバラパーラ)
二つ目の階段の頂上からは、砂岩の板で作られたゆったりとした傾斜の歩道になり、三つ目の階段へと続く。この階段を上ると、六つの崩壊した煉瓦の塔(11世紀初頭)のある、最後から二番目の基壇に出る。塔はリンガの形でシヴァ神を表していた。
(崩壊した煉瓦の塔、北側の三棟)
最後に、大量の砂岩ブロックによって七層に積まれた(各11段の階段を7回上る)上部テラスに出ると、主殿(11世紀中期、バプーオン様式)がある。全てのクメール神殿に見られるように、南側には「図書館」と呼ばれる小さな建物が隣接しているが、そこに本が収められたことは一度もない。
(主殿)
西側には、階段の付いた大きなポルチコ(訳注 #1)があり、その一部は床石に乗っており、聖なる泉へと出入りできる二つの扉がある。神殿の背後にあり、入り口を支えている岩の彫刻は、ヒンドゥー教の三神一体であるトリムルティを表す。即ち、中心には聖域の支配者シヴァ神、左側にはブラフマー神、右側にはヴィシュヌ神である。
(中心にはシヴァ神、左側にはブラフマー神、右側にはヴィシュヌ神)
訳注 #1:ポルチコは、建物の玄関に導く、あるいは柱列として拡がるポーチであり、 柱で支えられるか壁で囲まれた歩道上に屋根がある構造