Post date: Nov 30, 2012 2:54:36 AM
Lethally Hot Temperature During the Early Triassic Greenhouse
この論文ではペルム期末から三畳紀初期(約2億5,200万〜2億4,700万年前)にかけて起きた謎の大絶滅について書かれている。この絶滅は地球上最大の大量絶滅とされ、全ての生物種のうち90~95%が地球から姿を消した。Sunら研究チームは中国南部の赤道付近の浅い海から採取した小さな化石の酸素同位体を調べたことによって、当時の赤道の海面温度はピーク時で摂氏40度近くに達していたことを明らかにした。それが原因で石灰藻は壊滅状態となり、魚類や海洋哺乳類は大半が緯度の高い地域へと追いやられ、赤道地域の海に残存する生物の個体数は抑えられ、全般的な消滅が起きた。また、植物は温室効果ガスである二酸化炭素を吸収するものの、この植物が死滅することによって地球は「暴走する温室」となってしま
ったようだ。通常数10万年で回復する大量絶滅だが、この絶滅では500万年もの歳月がかかったとされている。
今回の研究結果は「世界がどれだけひどい状態になりうるか」を地質学的なタイムスケールで示しており、現在の地球が抱えている温暖化の将来を考えるうえでも重要なものであると確信する。
米本茉利恵 (代理投稿 豊泉)