【景 観】今津川の河口部に位置するが,今津川は椎津川横水路(旧海岸線と埋立地の間にあり,海岸線に平行に流れる人工水路)に合流していることから,調査箇所自体は椎津川である.塩性湿地(ヨシとシオクグ)は非常に小規模であり,周辺の干潟は軟泥質である(写真1).よほど歩行に注意しないと膝まで埋まるので大変危険であるので(写真2),干潟内に生息するベントスは調査していない.ヨシ原内は比較的安全に歩行が可能である.環境省「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」として選定されている.
写真1 ヨシとシオクグからなる塩性湿地
写真2 干潟内は軟泥質で膝まで埋まるので,非常に危険.
【ベントスの概要】塩性湿地は大変小規模であるが,絶滅危惧種のウモレベンケイガニ,クシテガニ,アリアケモドキを確認できた.特にアリアケモドキは個体数が多く確認できた.加えて絶滅危惧種のフトヘナタリやウミニナも数個体確認できた(写真3).ベントス出現種の詳細は,柚原ら(2016)を参考頂ければと思う.
写真3 中央部に絶滅危惧種巻貝フトヘナタリが3個体いる.
【交通・アクセス】徒歩の場合JR内房線姉ヶ崎駅から約30分程度.自家用車では,駐車スペースはある.トイレ,水洗い場は無い.コンビニやホームセンターが比較的近くにある.
参考文献
柚原 剛・高木 俊・風呂田利夫. 2016. 東京湾における塩性湿地依存性の絶滅危惧ベントスの分布特性. 日本ベントス学会誌, 70:50-64.(PDF: Open Access)