動詞修飾定詞についての考察

6.1 定詞の動詞修飾のうち、「相」で分類されているものについては、動詞の後に定詞を置くことも出来る。ここではその理由を考察する。

例:我在筆。(pai2 aim2 kua2.)訳:私が書いている。

例:我筆在。(pai2 kua2 aim2.)訳:私が書いている。

上の例については「在」は「筆」を修飾している。一方、下の例では、「我筆」(私が書く)が主語(=名詞性)、「在」が述語(=動詞性)となり、「私が書くことがある」(=私が書いている)と解釈できる。このようにして、パイグ語では往々にして同じように見えるものでも、品詞が異なることがある。その点を学習者は留意する必要がある。なお、2文に余り大きな差は無いが、どちらかと言えば上の方が意識的な動作であるような印象がある。

また一説によれば、上の例を「私が書くことを在らせる」と解釈し、下の例より意思性が強いとも言われる。しかし、必ずしも意思性が伴うわけではないので、議論が分かれている。