パイグ語入門
本頁では、パイグ語を簡易に解説する。
1. 音韻
2. 統語
1. 品詞
実詞
単独で述語となり、主概念を提示する。名詞 概念の名称を叙述する。
動詞 動作の外延性を示す。
定詞 状態を叙述し、他詞の運用調整をする。
虚詞
単独で述語とならず、語の運用調整をする。約詞 概念と概念を接続する。
叫詞 話者の主観を叙述する。
文中で品詞転換が頻繁なので注意されたい。
2. 主述構造
主語 - 述語
上のように主語と述語からなる構造を主述構造と呼ぶ。述語となりうるのは、実詞である。
2-1.主語
主語:話者が伝達したい内容の中心。述語の動作主や対象を示したり、描写を付加する。
普通、名詞が主語となり、その他の品詞が主語となった場合は、名詞化されたものと捉える。
2-2.述語
述語:主題に動作・状態などの情報を付加する。
述語となるのは実詞である。
普通、動詞が述語となり、その他の品詞が主語となった場合は、動詞化されたものと捉える。
例:我王。(pai2 io.) 訳:私は王だ。
例:汝行。(mua2 mok1.) 訳:あなたは行く。
例:彼美。(zap2 hem1.) 訳:彼は美しい。
3. 述客構造
述語 - 客語
上のように述語と客語からなる構造を主述構造と呼ぶ。このときの述語は動詞となる。
3-1.客語
主語:述語の対象や存在範囲、主語の補足などをする。
普通、名詞が客語となり、その他の品詞が客語となった場合は、名詞化されたものと捉える。
例:男刀草。(ki1 gau2 kot.) 訳:男は草を切る。
例:石在川。(sy2 aim2 nut2) 訳:石が川にある。
例:虎如猫。(dau2 em ne2) 訳:虎が猫のようだ。
4. 修飾構造
修飾語 - 被修飾語
上のように修飾語と被修飾語からなる構造を修飾構造と呼ぶ。このときの修飾語は定詞となる。
例:我国 (pai2 sip1) 訳:私の国/朕は国家なり
例:善日 (kait kia1) 訳:良い日(=こんにちは)
例:激戦 (gak1 kaik) 訳:激しい戦い/激しく戦う
5. 約詞構造
約詞 - 客語
上のように約詞と客語からなる構造を約詞構造と呼ぶ。このときの修飾語は名詞となる。
5-1.約詞
約詞:前の成分と後ろの成分をつなぐ。述語の存在範囲を示したり、前の成分が後ろの成分の前提条件となったりする。
例:我之書 (pai2 a ak1) 訳:私の書
例:我心而行。(pai2 hia1 ua mok1) 訳:私は思い、そして行く。
例:我於家寝。(pai2 ie mut2 hok1) 訳:私は家で寝る。