官定牌語

上声に関して

以下の15子音が上声となりうる。

p/p/ b/b/ m/m/

c/s/ s/z/ x/ɕ/ z/t͡s~t͡ɕ/

t/t/ d/d/ n/n/ l/ɾ/

k/k/ g/g/ h/x/

声調に関して

現代標準パイグ語音は、古牌音の上声子音のいくつかが統合したことにより三種の声調を獲得している。

無声 直声 曲声

旧来の解釈

無声 短く、特定の高さを持たない。

直声(平声とも) 長く、平らである。

曲声(変声、歪声とも)長く、途中で音高が変化する。

この解釈では、曲声が上昇調のようにも下降調のようにも発音されることについて適当な説明ができない。

新解釈

基底型として、

無声 短く、調値は直前、なければ直後の拍に依存する。

直声(平声とも) 長く、高い。

曲声(変声、歪声とも) 長く、低い。

と解釈すると、


表層型について、

曲声が普段上昇調なのは低調連続の回避。

まれに下降調(ただし最後に僅かな上昇を伴う)となるのは句境界の明確化。

と考えられる。

また、下降を伴う直前の拍が曲声の場合、上昇が極端化しがちであることが知られている。

つまり、

善日。我筆墨風。(kait kia1. pai2 kua2 huo2 pua2.)

の調値を五度法により示すと、

{1 11 15 512 13 13} のようになる。