エイズ(AIDS)患者とHIV感染者の違いについて

HIV(Human Immunodeficiency Virus)

HIV(Human Immunodeficiency Virus)はヒト免疫不全ウイルスと呼びます。

Human=人

Immunodeficiency=免疫不全

Virus=ウィルス

つまり、HIVと言うのは、病気の名前ではなく、ウイルスの一種になります。

AIDS(Acquired Immune Deficiency Syndrome)

AIDS(Acquired Immune Deficiency Syndrome)は後天性免疫不全症候群です。

Acquired=後天性

Immune=免疫

Deficiency=不足、欠陥

Syndrome=症候群

厳密には『エイズ』と言う、病気がある訳ではありません。

『エイズ』は、HIVと言うウィルスに感染した時の、もっとも重く、深刻な結果のことを指します。

エイズの症状はひとによって様々です。

HIVは体の免疫機能を破壊するウィルスなのですが、そのため、身体の抵抗力・免疫力がほとんどなくなってしまい

健康な人では問題にならない、体内の常在菌やカビ、原虫、細菌、ウイルスなどによる日和見(ひよりみ)感染症や

悪性腫瘍、神経障害など、様々な症状が、どんどん重症化していく、という深刻な疾患です。

あくまで、HIV感染が原因の場合の様々な症状を総称して、エイズ(後天性免疫不全症候群)といいます。

厚生労働省が定めた23の合併症のいずれかを発症した場合に、エイズと診断されます。

HIV感染者とエイズ患者

HIVに感染しただけで、発症していない場合は、キャリア(保有者)と呼ばれ、HIVの感染者になります。

発症した場合は、AIDS患者と呼ばれます。

HIV感染からエイズの発病までの流れ

HIVに感染してから、エイズを発症するまでの流れは

急性感染期(感染初期)~無症状期~発病期という順番になります。

急性感染期(感染初期)

    • ウイルスが体内で急激に増えていきます。
    • 感染者の大半は初期症状が有りません。
    • 人によっては、風邪やインフルエンザに似た症状が出ることがあります。~発熱、のどの痛み、咳(せき)、節々(ふしぶし)の痛み、リンパ節の腫れ等
    • 初期症状が出る場合は、感染後2週間目ごろから発生し、数日から数週間で治まります。

いずれにしても、エイズに特有の症状と言うものは無く、症状によって感染を発見することはできません。

何かしらの、思い当たる行為の後に、気になる体の変化があるなら、検査をするしか確かめる方法は有りません。

無症状期

エイズ発症までの期間は、人により様々です。

大体、5~10年の間が多いようです。

症状が無く、普通の生活をしていますが、その間にも体内ではHIVが増加し、リンパ球が減少し、免疫力が少しずつ低下していきます。

エイズ発症・発病期

身体の免疫力が無くなり、健康な人では問題にならない種類のカビ、原虫、細菌、ウイルスなどにより、様々な疾患に罹ります。

治療方法、治療薬共に著しい進歩があり、現在では、エイズ=”死”とは、言えなくなってきています。

特に、エイズ発症前からの治療と、発症後からの治療では、免疫力に差が出る事も多く、早期発見、早期治療が後々の人生に大きく影響します。