鉄原子核の新たな仕組みが解明されたとのことで、まずはその記事から、
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鉄ナノ薄膜中の電子のスピンがらせんを描く起源を解明
-らせんの進行方向だけに存在する特殊な電子状態を初観測-
http://www.riken.jp/r-world/research/results/2010/100217/
◇ポイント◇
面心立方構造の鉄ナノ薄膜が示すスピンらせんの電子状態を軟X線で測定
らせんの進行方向とそれ以外の方向では、電子状態が異なる
スピントロニクスを駆使した次世代磁性体など、薄膜材料の特異現象解明に貢献
独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)と財団法人高輝度光科学研究センター(白川哲久理事長:JASRI)は、大型放射 光施設SPring-8※1を活用して、面心立方構 造※2の鉄ナノ薄膜が示すスピンら せん※3の起源が、らせんの進行方向にだけ存在する「平らなフェルミ面※4」 によるものであることを、軟X線を用いた角度分解 光電子分光※5により解明しました。この研究は、放射光科学総 合研究センター(石川哲也センター長)量 子秩序研究グループ 励 起秩序研究チームの辛埴チームリーダー(国立大学法人東京大学物性研究所教授兼任)と宮脇淳研究員、JASRIの大橋治彦副主席研究員と仙波泰徳 研究員らの共同研究による成果です。
鉄は古くから道具として利用され、現代では磁性材料としても利用されている重要な金属元素ですが、ほかの物質とは違い、温度に対して例外的な挙動を 示します。通常、物質は温度を下げるとより詰まった(密度の高い)状態になるのに対し、鉄は温度を下げていくと、911℃で面心立方構造からすき間の多い体心立 方構造※2に変わります。こうした例外的な結晶構造の変化は、鉄の磁性と密接に関係していると 考えられています。室温で得られる体心立方構造の鉄は、孤立した電子のスピンの向きがすべて同じ方向にそろうため、磁石です。一方、面心立方構造の鉄は、 格子の大きさに応じてスピンの向きがそろったり反対になったりして、さまざまな磁性を示します。その中でも、「スピンらせん」という珍しい磁性を示すこと があると、40年も前から予想されていました。しかし、面心立方構造の鉄を常温で得ることが難しく、その物性はいまだによく分かっていません。
今回、面心立方構造を持つ銅の基板上に鉄の結晶を成長させると、ある膜厚(原子5層~11層)で面心立方構造の鉄ナノ薄膜が得られ、スピンらせんを 示すという報告に基づき、軟X線角度分解光電子分光を用いて、8層(膜厚1.6 nm:1 nmは10億分の1 m)の鉄ナノ薄膜の電子状態を測定しました。その結果、スピンらせんの進行方向である薄膜の面直方向とそうではない面内方向では電子状態が異なること、特 に、スピンらせんは、らせんの進行方向にだけ存在する「平らなフェルミ面」に起因していることを明らかにしました。
これは、特殊な構造変化をする鉄の複雑な磁性を本質的に解明する糸口となり、磁性体を電子状態の観点から理解するために大きく役立ちます。また、スピン トランスファートルク※6を利用した次世代磁性体メモリの材料となる可能性も考えられ、応用面 への期待も膨らみます。さらに、面内・面直の電子状態の測定は、単体元素だけでなく、酸化物などの薄膜試料で観測される特異な物性の解明にも役立つと期待 できます。
本研究成果は、米国の科学雑誌『Physical Review Letters』オンライン版(2月12日付け:日本時間2月13 日)に掲載されました。
背景
鉄は、安価で頑強であることから、例えば鉄道、自動車、家電製品、建造物などに利用され、近年では、その磁性も活用してハードディスクなどの磁性体 メモリの材料に使われており、身の周りに当たり前のように存在しています。そのため、鉄の特性が一般的なものであると思われがちですが、鉄はほかの物質と 異なり、温度に対して例外的な挙動を示すという点で、特別な金属といえます。普通の物質は、温度を下げると体積が減少しますが、鉄は温度を下げて行くと、 911℃で面心立方構造から体心立方構造に変化し、体積が増えます(図 1)。この不自然な変化は、鉄の磁性が密接に関連していると考えられています。
室温で得られる体心立方構造の鉄は、孤立した電子のスピンの向きがすべて同じ方向にそろうため、磁石です。一方、面心立方構造の鉄は、格子の大きさ に応じて、スピンの向きがそろったり反対になったりして、さまざまな磁性を示します。その中でも、「スピンらせん」という珍しい状態を示すことがあると、 40年も前から予想されていました(図 2)。しかし、常温で面心立方構造の鉄を得ることが難しく、その物性はいまだによく分かっていません。
ところが、2001年に、D. Qian(チャン)らの研究チームが、面心立方構造である銅の基板上に鉄の結晶を成長させると、ある膜厚(原子5層~11層)で面心立方構造となり、表面 から3層目以下でスピンらせん(図 3)になることを明らかにしました(Phys. Rev. Lett. 87, 227204 (2001))。その結果、スピンらせんを示す面心立方構造の鉄を角度分解光電子分光を使って測定し、スピンらせんの起源にせまることができるようになり ました。
固体の磁性は、孤立した電子の持つスピンの挙動によって決まっています。固体中の電子は、低いエネルギー準位にびっしり詰まっている状態では、反対 向きのスピンを持った2つの電子が対を作ることによって、互いのスピンを打ち消しあい、磁性には関与しません。一方、電子を低いエネルギー準位から順番に 詰めていくと、電子が詰まっている部分と詰まっていない部分の境界(フェルミ準位)ができます。この境界近傍に存在する電子は、対を形成することができず 孤立しているため、スピンが残って、その固体は磁性を持つようになります。従って、スピンらせんを持つ鉄ナノ薄膜のフェルミ準位の電子状態、すなわちフェ ルミ面を実験的に観測することができると、スピンらせんの起源を明らかにすることができます。
研究手法と成果
研究グループは、大型放射光施設SPring-8の理研ビームライン17SUで、軟X線角度分解光電子分光という実験手法を用いて、鉄ナノ薄膜の フェルミ面を調べました。従来の角度分解光電子分光では、照射するX線のエネルギーが小さいため、固体の表面の電子しか調べることができませんでした。比 較的エネルギーの大きい軟X線を用いた軟X線角度分解光電子分光では、固体内部の電子状態を調べることが可能になります。この分光手法を活用することで、 スピンらせんを持つ鉄ナノ薄膜の内部の電子状態を調べ、そのフェルミ面を観測することができるようになりました。また、軟X線のエネルギーを自由に変えら れるという放射光の特徴を活用して、薄膜の電子状態を3次元的に観測し、3次元のフェルミ面を観察することに成功しました(図 4)。取得したデータを詳細に解析したところ、このスピンらせんの進行方向である面直と、進行方向ではない面内ではフェルミ面が異 なっていて、面直方向だけに「平らなフェルミ面」が存在することを明らかにすることができました。平らなフェルミ面は、そのフェルミ面同士を結ぶ方向とそ の長さ(図4の (d)矢印)に応じて、周期的な物性を発現させる性質があります。この方向と長さが、これまで報告されていた鉄ナノ薄膜におけるスピンらせんの方向と周期 に一致したことからも、スピンらせんの起源は面直方向の平らなフェルミ面であるという結論に至りました。
今後の期待
今回の研究成果は、特殊な構造変化をする鉄の複雑な磁性の本質的な解明につながるもので、固体が持つ磁性を電子状態の観点からとらえて解明すること に大きく貢献します。また、スピントランスファートルクを利用した次世代磁性体メモリの材料となる可能性も考えられ、応用面への期待も膨らみます。さら に、面内・面直のフェルミ面の測定は、単体元素だけでなく、酸化物などの薄膜試料で観測される特異な物性の解明に役立つと期待されます。
(問い合わせ先)
独立行政法人理化学研究所
チームリーダー 辛 埴(しん しぎ)
Tel: 0791-58-2933 (内線3370)
研究員 宮脇 淳(みやわき じゅん)
Tel: 0791-58-2933 (内線7949)
播磨研究所 研究推進部 企画課
Tel: 0791-58-0900 / Fax: 0791-58-0800
(ビームラインに関すること)
ユニットリーダー 大 浦 正樹(おおうら まさき)
Tel: 0791-58-2933 (内線3812)
(SPring-8に関すること)
財団法人高輝度光科学研究センター 広報室
Tel: 0791-58-2785 / Fax: 0791-58-2786
(報道担当)
独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
Mail: koho@riken.jp
< 補足説明 >
図1 面心立方構造と体心立方構造
左側が面心立方構造、右側が体心立方構造の単位格子で、鉄は温度を下げるとよりすき間の多い体心立方構 造へと変化する。
図2 面心立方構造の鉄で予想されていた電子のスピンの状態
面心立方構造の鉄では、格子の大きさに応じてさまざまなスピンの状態を示すと予想されていた。
図3 銅基板上に成長させた8層の鉄ナノ薄膜のスピン状態の模式図
過去の実験結果により、銅基板上に成長させた8層の鉄ナノ薄膜のスピンは、表面2層がスピンの向きのそ ろった状態に配列しており、3層目以下で面直方向に進行するスピンらせんが存在することが明らかになった。その周期は、2.6~2.7層である。
図4 銅基板上に成長させた8層の鉄ナノ薄膜の面内・面直のフェルミ面
(a)(b) 実験的に得た面内・面直のフェルミ面の強度マップ。
(c)(d) 強度マップから得た面内・面直のフェルミ面。
(d)の赤の点線で囲んだ長方形の部分が「平らなフェルミ面」で、スピンらせんの起源となる。長方形を結んでいる矢印の長さと方向がらせん構造の周期と方 向に対応し、これまでの結果と一致した。
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以前、鉄の原子核の図を描いたことがあり、結晶界での面心と体心や原子核の魔法数など取り上げた
関係上、螺旋の基本構造がスピンと結びつき、さらに、自足軸へと展開できるのかと考えています。
また、本稿のテーマである超対称性理論を組もうと考えるまでまでは、つい昨年の2009年秋ごろまで、
宇宙から、鉄原子核まで膠着円盤モデルを中心に、時間を組み込み、エネルギーと空間と物質等の
関係を考えていました。
次に取り上げる記事のように、宇宙で目立った現象が膠着円盤構造だとすると、ますます、ティトム
宇宙論の出番のような気がします。
「限界浮島律」(3,5次元のゆらぎともつれ 14にて掲載)を推し進めた、宇宙には私たちが考える、
制限や限界は存在しない、超自由な振動によるバランス空間である、このことの仕組みを私たちの
世界の因果律と掛け合わせ、対称化してゆきます。
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2010年02月19日 11:43 発信地:シカゴ/米国
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2697875/5356282
米 航空宇宙局(NASA)のチャンドラX線観測衛星(Chandra X-ray Observatory)など3つの望遠鏡が撮影した画像を元に作成された、2つの銀河NGC 6872とIC 4970が衝突する様子を示した合成画像。チャンドラのデータは紫色で、スピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)のデータは赤で、欧州南天文台(European Southern Observatory、ESO)の巨大望遠鏡VLT(Very Large Telescope)のデータは赤、緑、青で示されている(2010年2月17日公開)。(c)AFP/Chandra X-Ray Observatory
【2 月19日 AFP】ドイツのマックス・プランク天体物理学研究所(Max Planck Institute for Astrophysics)は17日、超新星爆発が2個の白色わい星の合体によって引き起こされてい る可能性があるとする研究結果を発表した。
これまで、1a型の超新星は、1個の白色わい星が自らの重みに耐えかねて不安定になったときに形成されると言われてきた。
研究チームは、米航空宇宙局(NASA)のチャンドラX線観測衛星(Chandra X-ray Observatory)のデータを用いて、付近の5つの楕円銀河とアンドロメダ銀河(Andromeda Galaxy)の中心領域にある超 新星を観測。その結果、これらの超新星のほぼ全部が、2個の白色わい星の合体、つまり1つの星の引力が他の星の物体を引き寄せる「降着」によって誕生した 可能性が導き出されたという。
超新星が降着により生成された場合、X線で撮影した銀河の明るさは肉眼の場合の約50倍になるという。
渦巻銀河における超新星も同様の原因で誕生しているかは、さらなる調査が必要という。(c)AFP
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自然界の4つの力のうち、原子核に働く極微の「強い力」、次の「弱い力」と「電磁力」を中規模空間に作
用し、最後のマクロに働く「重力」、それぞれをクェーサーの図から、鉄の 原子核の図へと膠着円盤と
ジェットの構造でまとめたのはティトム理論でした。
超対象性ティトム理論では、原則、正4面体重合の空間の原理を踏襲し、暗黒物質とダークエナジー
を先のクェーサーの図の逆構造を描こうと考えています。
ジェットの吹き出し口から私たちの(正としておきます)物質が流入し、また、膠着円盤と逆方向に
暗黒物質とダークエナジーが浸みだしてくる、とこのようなイメージです。
今のところ、暗黒物質の世界でも電磁界に働く4軸直交のメカニズムは維持されると考えています。
今後は、特別なニュースが飛び込んでこない限り、引用は小休止します。光速よりも速い存在の
暗黒子へと進みます。
ST理論 20: ダークマターへは程遠いのですが、クーロンサイドの実験をしてみます、 — Jul 21, 2013 12:57:07 AM
ST理論 19: 首を長くして待っていた記事がありました、しかし、ヒッグス粒子発見の顛末を見た後では、ダークマターに関しては、それを超えるしかないみたいです・・ — Mar 24, 2013 2:08:45 AM
ST理論 18: お久しぶりです、まる一年ヒッグス粒子の動向を見ていました。ようやく、ダークマターやダークエナジーに近づきました — Jan 14, 2013 5:57:10 AM
ST理論 17: 超光速粒子が見つかりそうですね、SETIプロジェクトにお願いしたいことがあります、暗黒物質、ダークエナジーに関してです、 — Aug 15, 2011 1:16:58 AM
ST理論 16: 超対称性とはこのことを示唆するのでしょうか、とんでもないミラーワールドの姿です、 — Mar 9, 2011 11:39:09 AM
ST理論 15: 西洋の中世キリスト教の影響を受けたビッグバン理論を乗り越えました、しかし、次の地平線がかすかに見えているだけです、いまのところ、クーロン力の電気力線がダークスペースを切り裂くツールに見えています、 — Feb 5, 2011 12:20:43 PM
ST理論 14: 基本的に真空には斥力が存在し、局所的に真空がひずむ(強く回転する:アバカス・リング)と引力(重力デュアル・リング)になる、 — Jan 8, 2011 4:58:30 AM
ST理論 13: 銀河系間の運動を説明することを目標に、「斥重力理論」を掲載しました、 — Nov 20, 2010 3:15:56 PM
ST理論 12: 懸案の図です、CP対称性の破れが生じた原因の図です、銀河の生い立ちに関係する壮大な話になりそうなので・・・ついに、第12章です、 — Nov 3, 2010 12:00:47 PM
ST理論 11: 本章は最も込み入っていますが、六気筒の銀河系のエンジンについてです、 — Oct 4, 2010 11:24:57 AM
ST理論 10: デュアルリングや電荷、磁束リングにまつわる真空のひずみについて、 — Sep 8, 2010 11:36:16 AM
ST理論 9: 宇宙の主要な構成要素を整理します、 — Jul 31, 2010 3:30:20 AM
ST理論 8: アバカス・リングと重力デュアルリングで質量の構造を図示します、 — Jul 19, 2010 4:50:13 AM
ST理論 7: アルヴェーン波によるコロナ加熱の問題を掘り下げます、 — May 30, 2010 3:38:34 AM
ST理論 6: 量子立体幾何学と電子配置K殻の2つの電子の連結です — Apr 4, 2010 5:14:47 AM
ST理論 5: パターン1と3の質量と重力の関係は示せた感じです — Mar 12, 2010 10:10:46 AM
ST理論 4: ティトム理論オールスターでダークサイドに向かいます — Feb 28, 2010 7:55:52 AM
ST理論 3: ゆっくりとですが、原子核の強い力とマクロの重力へ向かいます。 — Feb 20, 2010 11:28:09 AM
ST理論 2: 3番目の振動、光子重力軸から検証します。 — Feb 6, 2010 8:59:03 PM
ST理論 1: プラズマ宇宙論について、 — Oct 15, 2009 6:16:57 AM
ST理論のプロローグ、これまでのティトム理論の歩みをふり返ってみます — Oct 15, 2009 6:11:22 AM