研究内容
現代の社会・経済システムは経済成長を前提としていますが,環境変化や価値の多様化によりその前提が揺らいでいます。社会のあり方や自らの幸福を考えるとき,ミクロとマクロの循環構造を媒介する社会制度や社会政策のデザインは重要な問題になります。そのため,私は三者の循環構造がどのように機能しているかを複雑系や進化経済学,経済社会学の視点から明らかにしようとしています。研究対象とする社会制度や社会政策はグローバルからローカルまで幅広いですが,最近はトップダウンでつくられる制度や政策ではなく,自分たちの暮らしのために自分たちでつくる仕組みやシステムに着目して研究を進めています。具体的には以下のテーマについて研究を進めています。
現在の研究テーマ
厳冬期災害における避難支援および避難所環境に関する研究
AI技術×ポジティヴヘルス増進による高齢者の社会的つながり創発モデルの実証的研究
科研費(基盤研究A) による研究プロジェクト(代表:中島秀之 学長)
廃止措置中の原子炉施設における技術者のジェネラティビティと知識創造の関係の解明
日本原子力研究開発機構 敦賀廃止措置実証部門,橋本 敬 教授(北陸先端科学技術大学院大学)との共同研究(科研費(基盤研究C))
QRコードを用いたデジタル地域通貨の開発と効果検証
藤原正幸 氏(公立小松大学)との共同開発(RISTEX 社会技術研究開発事業 )
過去の研究テーマ
経済・法教育のためのゲーミング研究(JASAG研究部会)
D✕Nによる理想の病院デザイン
札幌市立大学の教員による研究プロジェクト(代表:中島秀之 学長)
リスク・レジリエンスに関する理論的研究(批判的実在論を中心とする理論研究)
リスク・レジリエンス研究会(代表:市原あかね 教授,金沢大学)における共同研究
電子地域通貨Tarcaを用いたヒト・モノ・カネの地域内循環の包括的研究
2019-2020年度サントリー文化財団助成(代表:江頭 進 副学長,小樽商科大学)における共同研究
デジタル決済がもたらす人間と貨幣の主客に関する技術哲学的検討
赤池 敬 氏(元:北陸先端科学技術大学院大学,日本大学大学院研究員),橋本 敬 教授(北陸先端科学技術大学院大学)との共同研究
世界各地のお金に関する意識調査
サードプレイス(コミュニティカフェ)を介したコミュニティ形成
山田広明 氏(現:富士通研究所)との共同研究
橋本 敬 教授(北陸先端科学技術大学院大学)との共同研究
主に構成的手法(コンピュータ・シミュレーション,ゲーミング・シミュレーション)によって研究を進めていますが,それ以外にも,制度を設計している人たちやまちづくりを行っている人たちへのヒアリングやアンケート調査,そしてフィールドワークなども行っています.それらの成果は,行政や地域団体,NPOとの協働による実践的な取り組みに活かされています.
Keywords:地域通貨,マイクロファイナンス,サードプレイス,コミュニティカフェ,地域の居場所,サーキットブレーカー,株式市場,貨幣意識,金融教育,シビックテック,オープンデータ,オープンガバメント,地域循環,トランジションタウン,パーマカルチャー,ミクロ・マクロ・ループ,マルチエージェントシミュレーション.