逆井町内名所

かたくり群生地

桜の花が咲くころ、逆井ではかたくりの可憐な花が人を集める。種子が地に落ちて8年もかかって花が咲くといい、地上に姿を見せるのは2ヶ月ばかりで、あとの10ヶ月は潜ったままだと聞けば、何かを避けるように下向きに咲く六花弁の淡い紫色に、人は愛惜の念さえ抱かされる。

市が昭和41年に、宇佐見さんの山地の北向き斜面の一部に囲いを作り、天然記念物に指定して保護を始め、それを市の花にした。宇佐見さん宅の話では、昭和30年代には、かなり咲いていて、盗掘がひどかったという。

かつては、鱗茎から良質の片栗粉をとった。いまはジャガイモの澱粉らしい。

かたくりの種子には、エライオゾームという脂肪酸がくっついていて、これが大好きのアリが巣に運ぶ。こうしてかたくりは移動し、群生するという。

 「かしわタウンニュースを見る2016年4月4日

 「欣也の柏探訪」から転載【動画を見る

水は枯れたけれど弁天様ご健在

浅間神社の東を走る県道(白井流山線)沿いに弁才天の祠がある。「俗ニ弁天様 厳島神社」 という稚拙な標札がかがげられている。水はないが、その名残の堀に囲まれ、相応の樹木もあ ってまあまあの風情である。弁天様はヌードかも。そう思って中を覗くと(その前にお賽銭を あげて)、「辨財天」と刻まれた石碑がこちらをにらんでいる。

辨は弁の本字、昔は辨説も辨当も辨を使った。だから弁才天も辨財天が正解。ならば才の代 わりに財とはなにゆえか。

弁才天は、もともとは古代インド神話の3大女神の1つ。サラスヴァティ河を神格化した土 地の豊饒をもたらす河神、それが日本に入り、佛敵をつぶす護法神となり、学芸、福徳の神と なり、さらに富貴の功徳が加えられ、庶民層に信仰が拡大した。かくて、弁才天は弁財天(す なわち辨財天)に移行した。

インド時代から琵琶を抱きかかえていた。鶴岡八幡宮や江ノ島のヌード弁天は、もちろん裸 を見せるためではなく、鎌倉時代に流行した裸形像で、ほんものの着物を着せ、ほんものの琵 琶をもたせた。奈良には地蔵の裸形像もあるから、道ばたの地蔵様によだれかけををかけるの も、そのバリエーションかも。

われらが弁天様は、池に鯉などたくさんいたが、太平洋戦争のとき、裏山の樹を切り出した ため、水が出なくなったという記録が残されている。水は枯れたが名残の堀に囲まれ、インド の河神だった、かすかな面影はあるような。

欣也の柏探訪」から転載

ひっそり菅原道真公の祠

近くにあった天満宮

柏稜高校から観音寺に抜ける道の右側に天満宮の立派な告示板があります。それがどこにあるのか、浅間神社の初詣で聞いてきました。その告知板の脇の坂道の途中に小さな祠が鳥居の奥にありました。

浅間神社でいただいた版字のような鄙びたお札には、天神宮御祈祷拂とあり、故老(失礼)が語るには、その昔、そのお札を配って5銭ずつ貰った由、逆井子供中の楽しみだったようです。

祈願を書いた絵馬もいくつか。お孫さんの学業成就のため参拝をしてはいかが。

欣也の柏探訪」から転載

水源の不動様も水道にひと役

前に水源の不動様(新逆井)のことを紹介し、埋められて水は流れ出ることはなくなったと書いたが、そこには深さ190メートルの井戸が掘られており、水道水の水源の1つになっている。それを知るや知らずや不動様の祠が荒れ果てているのは気の毒である。

その近くの南増尾に柏市の水道施設である第4水源地(写真)がある。ここから送り出された水が南部1帯に供給されており、不動様の恩恵に今もあやかっているということになる。しかし、江戸川の表流水も加えられており、市全体では表流水60、地下水40の割合で、昭和50年代の地下水100%は完全に昔話になっている。

柏市には第6水源地まである。第2水源地は廃止されているから実際は5か所で地下水を汲み上げていることになる。南増尾の第4水源地には井戸が9本掘られており、すべて30ミリ管で深さは180メートル以上である。松葉町の第5水源地では300メートルを超す深いものもある。

汲み上げた地下水は浄水されて送られてくる表流水と混合され、水道管を通って家庭に給水される。各水源地は無人で、高田の第6水源地にある浄水センターで、すべてコンピューターによる管理が行われている。Y2K問題では、全部手動に切り替えたそうである。

江戸川の表流水は1県7市2町で設立された北千葉広域水道企業団によって松戸の北千葉取水場から取水される。それが流山市にある浄水場に送られ、各市町村に給水されている。

この給水を1番多く受けているのが柏市で、それに40%の地下水をまぜている。近隣市町村では、流山市77(地下水23)、我孫子市65(地下水35)、沼南町は地下水0で、まだ柏市は恵まれている方か。しかし、取水は制限されているから表流水が多くなるのは時間の問題のようである。ニッカウイスキー200メートルを越す井戸が3本あるが、このため近隣では井戸が枯れたという。最近市内に1200メートル掘った温泉が営業を始めた。42度あり、これは取水制限には触れないという。

欣也の柏探訪」から転載

危険だが重要な「通勤・通学路」