韓国の淡水魚
韓国産カワムツ属の一種
Nipponocypris koreanus (Kim, Oh & Hosoya 2005)
朝鮮半島固有の、カワムツ(Nipponocypris temmenckii)に近い種です。見た目で分かりやすいカワムツとの違いは、目の上縁が赤くならず、体側の黒色縦条の下側が黄色くなり、胸鰭の前縁が赤くなる点です(ただし、韓国国内でも地域変異があるようで、胸鰭前縁が赤くならない個体群もあるようです)。側線上方鱗数がやや少ない(本種は9~10、カワムツは11~12)点も異なります。とても美しい魚でした。カワムツに比べるとかなり酸欠に弱いようで、水中から出して撮影しているとすぐに弱ってしまいました。
藍・黄・橙と、派手ではなく奥ゆかしい美しさ。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
カワムツより目が大きく、黒目がちな印象です。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
幼魚。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
参考文献
Chen IS, Wu KH, Hsu CH (2008) The taxonomy and phylogeny of Candidia (Teleostei: Cyprinidae) from Taiwan, with description of a new species and comments on a new genus. The Raffles Bull Zool 19:203-214
カワサッパ
Hemiculter leucisculus (Basilewsky 1855)
同定が正しいのか自信がありませんが、日本では見られないヘミクルターの仲間。幼魚が、ヒナモロコがいた場所と同じ水路で採れました。クルター類は見た目が似た種が多く、私にとっては大陸の懐の深さを感じる、未知の領域です。
一見、オイカワの幼魚のように見えます。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
ヒナモロコ
Aphyocypris chinensis Gunther 1868
日本では野生のものは絶滅寸前のヒナモロコです。一見、なんでもないコンクリートの水路にいました。しかしながら、周囲にあったハス田と水路は水面の高さがほぼ同じで、こういったところに秘訣があるのかもしれません。
金色かかった体色がなかなか美しいです。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
独特な輝きを持っています。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
コンゴウハヤ
Rhynchocypris kumgangensis (Kim 1980)
朝鮮半島固有のアブラハヤ系の魚。学名については議論があり、ここではSakai et al. (2006)で用いられているものを採用しています。輝くようなオレンジ色の模様が独特で美しい魚で、清流の中で群れを成していました。この魚もかなり酸欠に弱いようでした。
背鰭の付け根に小黒斑があります。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
輝くようなオレンジ色の模様が美しい。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
参考文献
Sakai H, Ito Y, Shedko SV, Safronov SN, Frolov SV, Chereshnev IA, Jeon SR, Goto A (2006) Phylogenetic and taxonomic relationships of northern Far Eastern phoxinin minnows, Phoxinus and Rhynchocypris (Pisces, Cyprinidae), as inferred from allozyme and mitochondrial 16S rRNA sequence analyses. Zool Sci 23:323-331
シマモロコ
Gnathopogon strigatus (Regan 1908)
日本のタモロコに近縁な魚ですが、その名前の通り、体側の黒色縦条がはっきりしているのが特徴です。しかし、個体差もあり、気分によっても変わってくるようで、薄くなった個体はタモロコとほとんど区別がつきませんでした。おそらく、タモロコのように環境による形態変異が大きい魚だと思うのですが、この地点の個体は、顔が尖り気味な割に体形は丸っこい印象でした。
シマモロコだと分かりやすい、はっきりした模様の個体。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
この個体はかなり模様が薄いです。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
小型の個体。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
モツゴ
Pseudorasbora parva (Temminck & Schlegel 1846)
日本でもおなじみのモツゴです。日本にも大陸産のモツゴが入ってきているせいもあるのか、日本産との区別は全くつきませんでした。
見慣れたモツゴの印象です。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
参考文献
Watanabe K, Iguchi K, Hosoya K, Nishida M (2000) Phylogenetic relationships of the Japanese minnows, Pseudorasbora (Cyprinidae), as inferred from mitochondrial 16S rRNA gene sequences. Ichthyol Res 47:43-50
ムギツク
Pungtungia herzi Herzenstein 1892
日本産と同種とされているムギツク。しかしながら、日本産よりも体高が高く、背鰭の先端がわずかに黒くなるなど、少し違った印象を受けました。ムギツクに限らず、日本と韓国では遺伝的にはかなり分化しているはずです。韓国の川でもたくさんいました。
背鰭の先端がわずかに黒く、体高が高いです。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
小型個体もなんとなく日本産と違って見えます。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
ホソムギツク
Pseudopungtungia tenuicorpus Jeon & Choi 1980
この魚を水中で見た時は感激しました。一見、ムギツクが泳いでいるように見えたのですが、違和感。「やたら細い…これがホソムギツクか!!」と大興奮です。泳ぎ方はムギツクそっくりで、混成群をつくっていることもありました。よくよく見ると、やや口は下向きについていて、吻端がオレンジ色を帯びており、背鰭の先端が黒くなっています。吻はムギツクより短めで、とてもかわいらしい顔つきをしています。個人的にとても気に入った魚でした。
ムギツクを見慣れた人には、興奮を呼び起こす違和感を持っていると思います。
(韓国、江原道にて、2011.7.26)
こうやって見るとムギツクとはかなり体形が違います。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
この魚、大好きです。かわいい。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
ヤガタムギツク
Coreoleuciscus splendidus Mori 1935
韓国に行ったら出会ってみたい魚のひとつでした。現地名「シュリ」は有名です。とにかくキラキラ輝く美しい魚で、鰭の縞模様もとてもおしゃれ。かなり流れのあるところを活発に泳ぎ回っていました。しなやかな泳ぎながらも底生性が強いところも、底もの好きの心をくすぐります。斑紋の地域変異が知られており、縦条に細いオレンジ色が強く出るものと、緑色が強く出るものの2タイプがいます。鰭の模様にも違いがあるようです。後者は最近、Coreoleuciscus aeruginosとして記載されました。
東アジアのコイ科トップレベルのおしゃれな魚ではないでしょうか。
(韓国、江原道にて、2011.7.26)
幼魚。成魚のミニチュアです。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
この輝き!(韓国、江原道にて、2011.7.26)
幼魚。かわいい。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
参考文献
Song HY, Bang IC (2015) Coreoleuciscus aeruginos (Teleostei: Cypriniformes: Cyprinidae), a new species from the Seomjin and Nakdong rivers, Korea. Zootaxa 3931:140-150
ミナガミヒガイ
Ladislavia taczanowskii Dybowski 1869
東アジアに広く分布する、1属1種の魚。見た目や泳ぎ方はヒガイに近いですが、産卵生態が変わっており、川底に穴を掘って産卵するようです。その興味深い様子が韓国の淡水魚図鑑に出ています。今回は出会えませんでしたが、産卵期のオスには頭部に追星が現れ、各鰭の前縁が赤くなります。
見た目はヒガイっぽいですが、違います。この違和感、たまらない。
(韓国、江原道にて、2011.7.26)
顔つきが違います。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
採り方はヒガイと同様です。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
ホソモロコ
Squalidus gracilis majimae (Jordan & Hubbs 1925)
日本産のイトモロコの亜種にあたる魚。韓国にはもう1種イトモロコ系の魚、コウライイトモロコ(Squalidus multimaculatus)が知られています。
茶色っぽい透明感が強い体色をしていました。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
韓国産カマツカ属の一種
Pseudogobio sp.
韓国に分布するカマツカ類は当初からカマツカ Pseudogobio esocinus (Temminck & Schlegel 1846)とされてきましたが、私たちの研究チームは、この魚は未記載種であるという見解です(Tominaga & Kawase 2019)。形態的には、複数の計数形質と計量形質を用いた判別分析で統計的に区別可能であり、カマツカと比べて体側・背側の暗色斑が明瞭な一方、点在する小黒斑は不明瞭という傾向があります。遺伝的にはカマツカと姉妹群となりますが、その分岐はおよそ500万年前に遡ると推定されています(Tominaga et al. 2016)。しかし、カマツカと非常によく似た魚であることは間違いありません。カマツカは西日本の川で大繁栄していることが多いですが、韓国の川はカマツカ亜科の多様性が高いせいか、このカマツカ属の一種の魚はひっそりと暮らしている印象がありました。なお、これと同じ種と考えられる魚は中国北部まで分布しており、中国産のP. vaillantiとの関連を含め、分類学的研究の進展が待たれます。
大型個体。細長く、体側の斑紋が大柄でくっきりしており、カマツカとは微妙に違います。
(韓国、江原道にて、2011.7.26)
幼魚はカマツカとの区別は困難です。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
参考文献
Tominaga K, Watanabe K, Kakioka R, Mori S, Jeon SR (2009) Two highly divergent mitochondrial DNA lineages within Pseudogobio esocinus populations in central Honshu, Japan. Ichthyol Res 56:195-199
Tominaga K, Nakajima J, Watanabe K (2016) Cryptic divergence and phylogeography of the pike gudgeon Pseudogobio esocinus (Teleostei: Cyprinidae): a comprehensive case of freshwater phylogeography in Japan. Ichthyol Res 63:79-93
Tominaga K, Kawase (2019) Two new species of Pseudogobio pike gudgeon (Cypriniformes: Cyprinidae: Gobioninae) from Japan, and redescription of P. esocinus (Temminck and Schlegel 1846). Ichthyol. Res. DOI: 10.1007/s10228-019-00693-x
ホタテコブクロカマツカ
Microphysogobio longidorsalis Mori 1935
名前の通り大きな背鰭が特徴の、見た目的にはツチフキっぽい魚です。その印象とは裏腹に、清流のやや流れのある場所を群れで泳ぎ回っていました。ツチフキっぽい印象があるせいで、その様子は違和感ありありで感慨深かったです。そして、カマツカのように酸欠に弱いです。オスは特徴が顕著で、追星もはっきり出現し、とてもかっこいい魚でした。
婚姻色の現れたオス。かっこいい!!(韓国、江原道にて、2011.7.26)
ツチフキに印象はそっくりなメス。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
幼魚。背鰭はこの頃から大きいようです。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
まさに「帆立」なオス。やっぱりかっこいい!!(韓国、江原道にて、2011.7.26)
オスの頭部。追星が出ています。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
ズナガドジョウカマツカ
Gobiobotia macrocephala Mori 1935
韓国遠征の目玉その1。一度は見てみたかった憧れの魚でした。ドジョウとカマツカがひとつの名前に入っているなんて!カジカが棲むような礫底の激流にいました。動きや体型もカジカのようで、収斂進化のおもしろさを感じました。目が特徴的で、ネコのように明るさによって光彩の大きさが変化します。なんとおもしろい魚!!
明るい褐色の個体。オスでしょうか。ネコ目です。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
こちらは暗い褐色の個体。体型的にメスでしょうか。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
カジカのような体型です。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
丸っこいですが、つるりとした出っ張りの少ない体型です。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
かっこよすぎる!!(韓国、江原道にて、2011.7.26)
暗いところから出した直後。つぶらな瞳です。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
何とも言えない顔つき。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
髭が!!口辺に1対、のどの付近に3対。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
幼魚3種の並び。前からズナガドジョウカマツカ、Microphysogobioの一種、サメガシラ。
(韓国、江原道にて、2011.7.26)
サメガシラ
Gobiobotia brevibarba Mori 1935
韓国遠征の目玉その2。こちらもドジョウカマツカの仲間です。その名の通り、サメのようなシャープな頭部形状です。ズナガドジョウカマツカと同じ場所で採れましたが、この体型の違いは、きっと生態の違いを反映しているはずです。
この魚もかっこよすぎる!!(韓国、江原道にて、2011.7.26)
特徴的な頭部。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
ズナガドジョウカマツカより流線型です。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
頭部が尖って、コチの仲間のようです。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
口髭たくさん!(韓国、江原道にて、2011.7.26)
幼魚。かわいらしい。一番後ろはカマツカ属の一種。
(韓国、江原道にて、2011.7.26)
フナ属の一種
Carassius sp.
フナはどこに行ってもフナです。分類が難しすぎるのも変わりません。
見た目はギンブナっぽい感じ。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
ヤリタナゴ
Tanakia lanceolata (Temminck & Schlegel 1846)
日本にも広域分布するヤリタナゴです。韓国はアブラボテ属の多様性が高く、ヤリタナゴのほか、アブラボテによく似たコウライボテ(T. koreensis)、体高が高く濃い緑と黄色の婚姻色が美しいチョウセンボテ(T. signifer )、最も日本のアブラボテに近いと考えられているT. somjinensis、見た目はアブラボテ系ながら、遺伝的にはヤリタナゴに近縁なT. latimarginataが知られています。
採れたのはこの1匹だけでした。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
参考文献
Kim D, Jeon HB, Suk HY (2014) Tanakia latimarginata, a new species of bitterling from the Nakdong River, South Korea (Teleostei: Cyprinidae). Ichthyol Explor Fres 25:59-68
ウエキゼニタナゴ
Rhodeus sinensis Günther 1868
見た目はカゼトゲタナゴに似た印象ですが、オスの婚姻色は黄色がきれいなタナゴです。
採れたのはこの1匹だけでした。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
参考文献
Arai Y, Arai R (1998) Rhodeus sinensis, a senior synonym of R. lighti and R. uyekii (acheilognathinae, cyprinidae). Ichthyol Res: 45:105-110
カネヒラ
Acheilognathus rhombeus (Temminck & Schlegel 1846)
日本のカネヒラと同種とされているものです。幼魚が1匹だけ採れました。
背鰭に黒斑が残る幼魚。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
ドジョウ
Misgurnus anguillicaudatus (Cantor 1842)
見た目はドジョウそのもの。しかし、複数種が含まれていることが示唆されており、これらがどの種にあたるのかは分かりません。
髭が長めな印象。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
これから、ドジョウはきちんと整理されるはずです。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
ハナジロドジョウ
Koreocobitis rotundicaudata (Wakiya & Mori 1929)
朝鮮半島固有のドジョウ。今回は幼魚が1匹だけでしたが、独特な雰囲気でした。次は成魚も見てみたいです。
幼魚。ただならぬ雰囲気。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
韓国産スジシマドジョウの一種
Cobitis nalbanti Vasil'eva, Kim, Vasil'ev, Ko & Won 2016
日本のナミスジシマドジョウ類に近い種のようです。以前はCobitis lutheri という学名が充てられていました。C. tetralineataというよく似た種類も知られており、日本産の種との関係を含め、今後の研究が期待されます。
立派なメス。点列模様です。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
このオスは点列ですが、産卵期には縦条になるようです。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
参考文献
Vasil'eva ED, Kim D, Vasil'ev VP, Ko NH, Won YJ (2016) Cobitis nalbanti, a new species of spined loach from South Korea, and redescription of Cobitis lutheri (Teleostei: Cobitidae). Zootaxa 4208: 577-591
コウライシマドジョウ
Iksookimia koreensis (Kim 1975)
韓国のシマドジョウの代表種です。このような斑紋パターンは日本のシマドジョウ類にはありません。かっこいい!!
メス。この斑紋パターン!!(韓国、江原道にて、2011.7.26)
骨質板が目立つオス。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
メス。かなり大型でした。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
採れた瞬間。テンションうなぎ上りでした。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
韓国産フクドジョウ属の一種
Barbatula nuda (Bleeker 1864)
フクドジョウ類は分類がかなり混乱しているようで、学名はこれで正しいのかは分かりません。日本産とは別種とされているようです。日本のフクドジョウと違い、西日本の河川で見られるようなコイ科やドジョウ科、ハゼ科などの魚たちと一緒に採れるというのが、なかなか新鮮でした。
フクドジョウに比べて模様が細かい印象です。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
Cobitis nalbanti などと同所で採れました。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
ナマズ
Silurus asotus Linnaeus 1758
ナマズそのものでしたが、きっと日本産とは遺伝的に分化しているに違いありません。
お腹がパンパンな若魚。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
日本のナマズと同じく、水路で見かけました。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
顔のアップ。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
クロギギ
Pseudobagrus koreanus Uchida 1990
日本でいうとアリアケギバチに近い雰囲気の魚でしたが、より体が細長い印象でした。
アリアケギバチに近い雰囲気。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
若魚。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
カムルチー
Channa argus (Cantor 1842)
韓国では正真正銘の在来魚。大型個体を捕まえることができました。
在来というのが感慨深いです。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
頭部のアップ。かわいらしい顔です。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
同じく頭部を別角度から。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
セマダラドンコ
Odontobutis interrupta Iwata & Jeon 1985
朝鮮半島固有の、途中で途切れたような独特な斑紋のドンコです。実物を見て「おお!なるほど!」と思いました。韓国の川にはこのセマダラドンコのほか、同じく固有のコウライドンコ(O. platycephala)、日本と同種とされるドンコ(O. obscura)も分布しており、多様性が高いです。
横から見るとドンコとの違いは少し分かりづらいですが…、(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
…上から見るととても分かりやすいです。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
幼魚。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
ヨシノボリ属の一種
Rhinogobius sp.
泥濁りの下流部や水路から中流域の早瀬まで、さまざまな環境で見られました。分類はよく分かりませんが、今回、見かけたのはおそらく1種類で、従来のトウヨシノボリに近い印象を受けました。
泥濁りの水路で採れた個体。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
河川中流の堰下で採れたオス。(韓国、京畿道にて、2011.7.25)
河川中流の早瀬で採れたメス。(韓国、江原道にて、2011.7.26)
様々な環境で見られました。(韓国、江原道にて、2011.7.26)