沖縄映画研究会 第10回研究発表会 報告書
投稿日:2021/04/20
開催日時 2022年2月20日(日)14時~16時45分
開催場所 オンライン(オンライン配信の中継会場として那覇市ぶんかテンブス館3F会議室を利用)
参加人数 22名(オンライン17名+中継会場5名)
(総評)
今回の第10回研究発表会も新型コロナウイルス感染拡大の状況下により、前回に引き続きZoomを利用したオンライン開催となった。オンラインに対応していない会員のために、中継会場となる那覇市ぶんかテンブス館の会議室2部屋を利用して世良利和代表、名嘉山リサ会員、藤城孝輔会員がZoom映像の配信を行った。今回は2021年8月に逝去した俳優の千葉真一氏の追悼特集として同氏に関する発表やパネルディスカッションを行った。また、映画監督の當間早志会員が2016年に撮影したインタビュー映像を上映した。前回と同様に多少の映像のカクつきなど通信状況が原因と見られる問題が生じたが、参加者は沖縄に対する思いを語る生前の千葉氏に心を打たれた。
≪追悼・千葉真一≫
*総合司会 藤城孝輔(運営委員長/岡山理科大学)
14:00 開会の挨拶 名嘉山リサ(事務局長/和光大学)
名嘉山リサ会員がうちなーぐちで挨拶を行った。
14:05 【発表】「沖縄への視角 ─ 千葉真一主演作を手がかりとして」世良利和(沖映研代表/岡山大学大学院非常勤講師)
世良利和代表は1960年代~80年代にかけて公開された沖縄関連の千葉真一出演作を紹介し、それらの作品に繰り返し描かれる本土と沖縄のあいだの溝について考察した。
発表者の世良代表(左)と勝手に画面に映り込んだ藤城会員(右)
14:35 【発表】「1960年代の台湾映画事情─『カミカゼ野郎真昼の決斗』を通じて─」李政亮(批評家/台湾政治大学非常勤講師)
台湾から発表を行った李政亮会員は、千葉氏が主演した日台合作映画『カミカゼ野郎 真昼の決斗』(深作欣二監督)を手がかりに1960年代当時の国民党による映画検閲制度を取り上げ、検閲の結果による映像の再編集やタイトルや字幕の変更について論じた。
テクノロジーを活用したわかりやすい発表で聴衆を刮目させた李会員
15:15 【上映】「千葉真一インタビュー」(NPO法人シネマラボ突貫小僧、2016年)
2016年の沖縄国際映画祭に際して来沖した千葉真一氏と映画監督の中島貞夫氏に対してNPO法人シネマラボ突貫小僧が行ったインタビューの映像を上映した。
15:45 【パネルディスカッション】「千葉真一、アクション魂は死なず」當間早志(映画監督)、平良竜次(NPO法人シネマラボ突貫小僧代表)、世良利和(司会)
世良代表が司会を務め、上映映像の中でインタビューを行ったNPO法人シネマラボ突貫小僧代表の平良竜次会員と當間早志会員が千葉氏の人柄や撮影に対する姿勢、出演作について語った。千葉氏の役作りやアクションに見られた創意工夫を振り返り、故人をしのんだ。
映画ファンならではのこだわりが背景画像に垣間見える平良会員(左)と當間会員(右)
16:25 会員報告
田名賢会員から出演予定のミュージカル「市民ごちゃまぜミュージカル 希望の街 」について告知があった。那覇文化芸術劇場なはーとにて5月8日に上演予定である。詳細は同作のウェブサイトを参照のこと。
16:30 閉会の挨拶 藤城孝輔
16:35 総会 名嘉山リサ