沖縄映画研究会 第5回研究発表会 報告書

投稿日: 2019/04/01 3:12:10

沖縄映画研究会 第5回研究発表会 報告書(2019年3月31日作成)

(『はれ日和』の上映風景)

開催日時 • 2019年3月23日14時~18時30分

開催場所 • 沖縄県立芸大附属研究所3階小講堂

参加人数 • 45名

(総評)今回の研究発表会は、沖縄の映画集団「突貫小僧」の創立30周年経過を記念したプログラムを組み、沖縄における自主制作映画の記念碑的作品『はれ日和』の上映を行った。上映後には当会会員でもある「突貫小僧」の元代表、元メンバー、現代表によるトークが行われた。また研究発表では、名嘉山リサ会員が幻の沖縄映画「太陽は撃てない」について報告を行った。


(セッティングには久万田芸大附属研所長の姿も) (うちなーぐちで開会のあいさつをする鈴木会員)

14:00- 開会のあいさつ 鈴木耕太会員(沖縄県立芸術大学附属研究所講師)

14:05- 研究発表「幻の沖縄映画『太陽は撃てない』―宮城嗣吉、大映、米政府間での製作構想をめぐって―」名嘉山リサ(和光大学准教授)

(発表の概要)大映は永田社長の肝いりで1960年代初頭に、沖映社長の宮城嗣吉をモデルとする沖縄戦映画「太陽は撃てない」の製作を企画していた。宮城は戦争末期に壕に潜む多くの民間人を救ったことで知られ、戦後は沖縄の映画興行に重きをなした人物である。本発表では米公文書館で調査したUSCAR(米民政府)の資料を分析し、大映と宮城がUSCARに打診した協力要請と撮影スケジュール、USCARによる脚本修正要求、米側の各組織間の交渉と立場などを明らかにした。また本作の原作を書いた川内康範による小説版やテレビ版の概要についても取り上げた。


(発表する名嘉山リサ会員) (発表に聴き入る参加者)

14:30- 【シネマ突貫小僧30周年記念上映】(※正確には「31周年」です)

『はれ日和 ぼくらのクソ記念日』(1988年、當間早志監督、真喜屋力脚本・主演)


(監督の當間早志会員) (脚本・主演の真喜屋会員) (現在の突貫小僧代表・平良竜次会員)

17:00- 突貫小僧の旧・現メンバーによるトークショー

(トークの概要)當間会員が作成した詳細な年表資料が会場で配布され、それに基づいて突貫小僧の発足と活動の歴史、そしてNPO法人となった現況などが解説された。また4月に開催される第11回沖縄国際映画祭で突貫小僧が「沖縄ヒストリカルムービー」のプログラムを担当し、『夏の妹』と『太陽の子てだのふあ』を無料上映することが発表された。

(突貫メンバーによるトーク) (撮影する情報誌「ぴらつか暦」の萩野さん)

(おまけ)研究発表会終了後、懇親会が開かれた。

報告書作成/沖縄映画研究会 ©

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