沖縄映画研究会 第3回研究発表会 報告書
投稿日: 2018/03/22 7:52:47
沖縄映画研究会 第3回研究発表会 報告書
※今回の研究発表会は、大学コンソーシアム沖縄および沖縄県立芸術大学との共催となった。
開催日時 • 2018年2月24日13時~15時 10分
開催場所 • 沖縄県立芸術大学附属研究所3F小講堂
参加人数 • 26名
13:00- 主催者あいさつ 沖縄県立芸術大学附属研究所講師・鈴木耕太
13:05- 研究発表:「皇太子裕仁の来沖映像をめぐって」世良利和(映画批評家・芸術学博士)
皇太子裕仁は1921(大正10)年の訪欧途次、沖縄に上陸して首里へ行啓する。この訪欧では皇太子の映画撮影が初めて許可され、沖縄での様子もフィルムに記録された。ところが現存する訪欧映像には沖縄の場面が見当たらない。本発表では参考映像を上映しながら、皇太子の動向や映画が撮影された背景とその影響について報告した。
司会担当の鈴木会員
発表する世良会員
発表する藤城会員
13:35- 研究発表 「風景論と沖縄」 藤城孝輔(映画批評家・映画学博士)
足立正生の『略称・連続射殺魔』や大島渚の『東京战争戦後秘話』を論じた松田政男の「風景の死滅」を出発点とし、『オキナワンドリームショー』における高嶺剛の「見る」ことと「表現する」ことの相関性、蓮實重彦の「表層批評宣言」などを概観した上で、中江裕司監督の初期作品『パナリにて』の冒頭映像について分析を行った。
14:10- 「琉球ニュースPartⅡ」 参考映像の上映(28分)と解説
大濱聡(元NHKディレクター&プロデューサー、沖縄国際大学南島文化研究所特別研究員)
「琉球ニュース」全21号は1953年から55年に制作上映された。残されていたフィルムを元に発表者が制作した「沖縄1953~55年『琉球ニュース』の記録」は1979(昭和54)年10月にNHKで放送された。本発表では参考映像を上映した後、当時の沖縄大学教授・新崎盛暉のコメントを踏まえつつ、「琉球ニュース」の制作方針とそこに見る沖縄の姿について解説が行われた。
『琉球ニュース』のタイトル映像
映像解説する大濱会員
15:00- 閉会のあいさつと事務連絡 事務局長・名嘉山リサ
15:10- 会場撤収・散会
研究発表会終了後、当会会員による関連企画として、薬師丸ひろ子が主演した沖縄ロケ作品『メイン・テーマ』の無料上映とロケ地解説が別会場の「とまりん」で行われ、約60名が参加した。なお、同企画では2018年3月31日にも『海燕ジョーの奇跡』を上映する予定。
発表会場の様子
発表の合間の談笑
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