■テーマ:CBTcasecamp2016で学んだことを活かそう
■背景:研修で学んだ技術は、日常や実践で活かすことに尽きる。それが対人援助に携わる者の職業倫理である。昨年まではできなかったが、今は気づいている点については、全部いっぺんに変えられる。
■目的:研修後の一発目の面接で、研修で得られた技術をすべて取り入れる。また、それに伴うリスクマネジメントを必ず行う。
■実践:ホームワークが実行できていたこと、気分が安定し、外出が増えるなど生活水準が向上していたことをふり返り(10分)、介入はそれなりに効いていることを確認。リスクアセスメントとして、介入の方向性を大きく変えなければ、面接形式が多少変化しても、それに伴うリスクは低いと判断。
あやふやになっていた目標を具体化する質問を重ねる(20分)。「目標がない」という発言を捨てず、かといってその文脈に入りすぎず、理想の生活を聞いていく。
目標の障害になりそうなことを2つの主題にわける。それらを扱う必要性を検討し、「一方が改善すると、もう一方は同時に解決していく」文脈に導き、話をまとめていく(30分)。
短期目標を設定し、「できる/できない」ではなく「どれぐらいやるか」というレベル設定を教示。教示しながら手元のブランクシートでワークを作成(40分)。
最初のレベルとして「頭の中でそのことを考える」ことを設定し、そこは達成可能であることを確かめることで、侵襲性・出来なかった場合などのリスクマネジメントを行う(50分)。
CLの感想として、いつもと違って感傷的に落涙することがなかったとのこと(55分)。
■結果・考察:
1)リスクマネジメント
この視点はこれまで非常に欠けていた。今回、あらためて意識してわかったことは、リスクについてのアセスメントは、同時に「ここまでなら介入できる」という介入の限界点のアセスメントにつながるということだ。つまり、リスクのアセスメントは、「介入をしない」ための情報ではなく、「介入する」ための情報だと感じた。
2)タイムマネジメント
以前より、ロールプレイ(20分)に比べて、通常の面接(50分)のまとまりが非常に悪かったが、これはロールプレイの題材によらない現象だと感じていた。今回、時間を意識してわかったことは、思った以上に、私は区切りを意識していなかったということだ。「30分が一区切り」ぐらいのルールなのだが、このルールが有るのと無いのとでは、まとまりにかなりの差が生まれる。実際、課題設定に20分割くことで、面接が尻切れトンボになることはほとんどなかったと思う。
3)質問で組み立てる
目標設定は質問を重ねる形式でおこなったが、話題を少しずらしたりしながら、質問責めにならないよう工夫した。これまで「質問を重ねる」ことは、意識して避けてきた行為であった。しかし陪席と模擬面接の体験から、やり方を間違えなければ、それはものすごく展開を早める技術だと感じた。相手の言葉を受けて、反応して、考えて、一言添えながら質問する流れは、もしかすると適切な質問ひとつで済むのかもしれない。
■おまけ:10minutesCBT
本日はコメディカルとのロールプレイも行った。今までの自分は、「10分でできるところまで」を目標としていたが、研修後一発目のロールプレイは、10分で1セッションを完結することを目標とした。
ロールプレイ実践:主訴の確認、うつのアセスメント。反応性のうつと判断(1分)→仕事への従事が目標(2分)→主訴を具体化。仕事のミスに起因する困惑を同定(3分)→困惑が生じる過程を具体化。実際に機械が目の前にある状態をイメージしてもらう介入しながらのアセスメント(7分)→困惑が生じる2場面のうち、どちらが重要かを絞り込む(8分)→「難しいことだと思う」と言いながらハードルの少し高めの課題を提案(9分)→「この辺がやりやすそうですね」と言いながら妥当なハードルの課題を設定(10分)
感想:提示してくれた題材が、やりやすいものだったとは思うが、それでも、あんまり無理な文脈を作らずに10分で完結できたことは、進歩かなと思った。
■感想:1日だけ変えても意味ないので、1ヶ月通してこれをやる。日々精進。
2016年7月20日
佐藤裕樹