■2016年4月29日のMI研修(講師:岡嶋先生)
■概要
MIの概念を学びながら、二人一組もしくは小グループで、実際にフレーズの使い方などを練習した。さまざまなワークがあり、最初は「是認」「聞き返し」の練習から入り、徐々に「聞きながら、相手の感情、裏にある気持ちを想像する」「葛藤しているところを想像する」といった、より高度なスキルの練習に移っていった。最終的に「チェンジトーク」と呼ばれる、文脈的に行動変容と密に繋がる発言を引き出すワークに移っていった。
■感想
あれこれ考えながらやっていたが、やはり練習が足りないからか、うまく応答できたと思うところは少なかった。そんな中で、良かったところや、改善できそうなところを振り返っておきたい。ちなみにどんなワークだったか簡単に書いているが、正確ではないので、その辺はご愛嬌。
■会話をつなぐ+会話に変化をもたらす+恐れず言い換える
会話をつなげるには、たった一言、その話を続けてもよいサインとなる言葉を言えばよい。「変な影が見える…」「追いかけられてる感じなんですね…」など、重要な点をボソっといえばいい。でもそれだけだと、抑揚のない会話になる。
会話に抑揚をつけること、つまり変化をもたらすことは、誤解を恐れず相手の考え・感情を想像し、大胆に言い換えてみるとこから始まるのだろう。実は守りに入っていても、共感にはならないのかもしれない。そんな風に感じた。
■感情を聞き返すことはちょっと難しい
「マイノリティな主張や嘘、妄想を聞いて、感情の聞き返しをするワーク」があった。その話が、その人にとってどのような意味をもつのかを明らかにすることは、ちょっと難しい。言ってしまえば「ちょっと変な話」について、それが「怖い」「気味が悪い」と明らかになったとしても、それだけだと不十分だと思う。
たぶん感情として、押さえるべきポイントがある。まさに「それ!」と示すようなところまで、具体的にする必要があると思う。大体の当たりをつけられても、それを十分に掘り下げる文脈づくりが、難しいのだと思う。
■強みを探すこと+サマライズ
あれこれ話してくれたことから、ひとつのまとまりを作り出すとき、できればもらってうれしい花束のような形にしよう。サマライズのコンセプトはそのようなことだと解釈した。しかし何となくやっていると、事実のみを突き返す形になりやすい。
「強みを探す」ことが重要なのだが、私がやりながら思ったのは、何か方向性というか、「こんな感じになったらいいな」というその人の「理想の状態(?)」みたいなものを、聞き手が描けていることが大事だと感じた。
■チェンジトークを膨らます難しさ
チェンジトークのワーク以外でも、チェンジトークは生じるものだ。たとえば、「話し手は欠点を述べて、聞き手は最後にその中にある強みを探してサマライズするワーク」があった。下手くそなMIでも、どこかで「こうしたいんだけど」というチェンジトークは出てくる。
本当は、こういう発言に「ヨシきた!」と身を乗り出す練習ができるだろうし、そういう練習を少ししたことがある。でもこのとき私がチェンジトークに気づいたのは、もはやその話がだいぶ進んで、1分以上の時間が過ぎてからだった。「気づく」だけでもいかに大変か、改めて思い知らされた。気づいていないのだから、当然それを膨らませることなんて出来ない。それだけワンランク上のスキルなのだと感じた。私もまだまだ初心者である。
■「チェンジトークを引き出そう」という邪念
最後にチェンジトークを引き出すグループワークがあった。そのとき、私の頭には「どうやって引き出そうか」という考えばかりが広がっていた。しかしそれは邪念だと思った。話の流れにも、うまく乗れていなかった。ちょっと無理がある開かれた質問もしていた。膨らませようとするより、縄をつけて引っ張り出そうとする感じだ。それはちょっと違う。
自然と、変わりたいと思えるような文脈に導く上では、まさに研修の中で言われていたことなのだが、「できない」と言ってる話を、「したい、けどイヤ」といった話に言い換えていく必要がある。どこで躓いているのか、具体化するのも良かったかもしれない。
私のこの話自体が、「チェンジトークを引き出したい、でも具体化なんかしていられない」といった「したい、けどイヤ」の文脈に当てはめられるかもしれない。それってどこで躓いているかというと、最初に述べた「邪念」だと思う。邪念が浮かんでない今は、あれこれアイデアが湧いてくるのだから。
MIのスピリットが重要なのは、悪用を防ぐ意味もあるだろうけど、実はこうした「これって邪魔だよね」っていう邪念を生じにくくさせる、おまじない(ルール)なのかな。
■まとめ
ということで、初めてMIのちゃんとした研修を受けた。初心者の私には、ちょうどよい難易度だった。岡嶋先生も言っていたことだけど、これは何回もこなして、ようやく身につくスキルだと思う。なので、意識して臨床に取り入れてみようと思った。そして勉強会のロールプレイでも、ワークなどを少し取り入れてみようかと思う。
2016年4月29日
佐藤裕樹