投稿日: Mar 25, 2015 2:34:48 PM
ご無沙汰しすぎてます。桜もそろそろ開花しはじめ、花粉症がひどい今日この頃です。
さて、定期演奏会が近づいてきました。2年生はこの演奏会をもって引退となります。
最後の演奏会、いろいろな思いをもってのぞむことと思います。その思いが一つになればこれ以上のことはないでしょう。
今日は私が今まで演奏会(や何かの機会で演奏する時)に大切にしてきたことをお話ししたいと思います。
私は演奏の前に必ずすることが2つあります。
1つ目は、ご存知の方もいるかもしれませんが、羊羹を食べることです。
たいてい虎屋の「夜の梅」という小さめの羊羹を食べます。
緊張でご飯があまり食べられず少しの量で多くエネルギーを得られそうなもので自分が好きなものを食べようと思ったのがきっかけで、今に至るまで一種のおまじないのように羊羹を食べています。
2つ目は、あるピアニストの言葉を読むことです。
フィリップ アントルモンというピアニストの言葉なのですが、ピアノをやっていないと知らない名前かもしれません。
私が最も尊敬しているピアニストの一人です。
その言葉を紹介します。
「さて、ここで私からの助言ですが、楽器と向き合うなら、ぜひその幸せを感じてください。たとえ、演奏する作品が重々しく、激しく、あるいは痛ましげなものであっても、それは常にあなたに大きな幸福をもたらしてくれるはずです。また、舞台の上に立ったならば、この幸福を、あなたの演奏を聴いている聴衆とどういうふうに共有できるのか考えてください。私にとって、聴衆は、なくてはならない存在です。音楽は万国共通の言語です。世界中の人々がそれを理解することができるのですから。あらゆることがあまりに複雑化し、いたるところで憎しみや、愚行や、馬鹿げた戦争が行われています。互いに間違った宗教だと非難し合うような排他的な動きが起こり、「愛」という語が失われ、地球の崩壊が明らかとなり、未来への展望も閉ざされ、日ごとに環境の汚染が進んでゆくこの現在にあって、私はそれでも、神が存在していると信じています。そしてそれゆえ、私は音楽を自分の宗教だと考えているのです。なぜそれを信じないでいられましょうかーそう、私たちにはモーツァルトがいるのですから!」
三国ブラス68,69期生での最後の演奏会。感謝と幸せにあふれた演奏ができるよう、あと数日駆け抜けたいと思います。