ダアワに関する講義
至高なるアッラーへと人々を招くこと
ダアワの定義:
ダアワとは、導きを受ける人々の環境や理解の違いを考慮し、ふさわしい方法をもって、言と動、その両方によって、人々に、イスラームへの招待を伝えることや、イスラーム教育へと人々を招くことです。
そのダアワには、2つの種類あります。
① ムスリム(イスラーム教徒)兄弟姉妹たちへのダアワ
②ムスリムでない方たちへのダアワ
預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)はこう言われました。(意訳)
≪誰でも導き(善行)へと呼びかけた人は、その呼びかけに従った人の報奨(ほうしょう)は減ることなく、
彼とまったく同じ報奨(ほうしょう)をもらいます。
また、誰でも誤りへと人をけしかけた人は、それに乗って間違いを犯した人の罪は減ることなくそのままで、
彼とまったく同じ罪があります。≫ イブンマージャ伝承
自分がその善いことができなくても、自分が、それを人に勧めて、勧めた人がもしそれをしてくれたら、その人がした善行の報奨と同じ報奨が、自分の手に入るという事です。この種のダアワは、アッラーによってイスラームに関する情報を与えられた人たちがするもので、アッラーは、クルアーンの中でこうおっしゃっています。
【また、あなた方は一団となり、(人々を)善いことに招き、公正なことを命じ、邪悪なことを禁じるようにしなさい。これらは、成功する者である。】 聖クルアーン イムラーン家章104節
クルアーンのこの節には、ダアワが、「義務」であることの明白な証があります。クルアーンの中の、【~しなさい。】というアッラーのお言葉は、義務を表します。
また、この節によって、ダアワをする者が、成功、喜びを手にすることが約束されています。【これらは成功する者である。】とアッラーは言われています。この節を注意して見てみると、アッラーによって、成功を得る者の特徴は、3つあります。
①人々を善いことに招く ②公正なことを命じる ③邪悪なことを禁じる
この3つです。
そして、呼びかけられた人がどう答えるか、という反応は、ダアワをする人がアッラーから成功と喜びを得る条件とは、関係がありません。
つまり、その人が、ダアワを行って、この3つを人々に呼びかけたとしたら、たとえ、誰一人としてそれに応えなかったとしても、たとえ周りの人々が、彼の言う事をまったく聞かず、悪行を続けていたとしても、もしくは、彼に反抗して、逆らってきたとしても、どんな反応が返ってきたとしても、まったく、アッラーからの報奨である、「成功と喜びを与えられる者」になることとは、関係がない!ということです。
ですから、まずは、勇気を持って、善い事を周りの人に薦めてみましょう。また、悪い事をしているのを見たら、とりあえず、「それは、よくないよね」と言ってみましょう。もしかしたら、彼があなたのおかげで地獄の炎から救われる事になるかもしれません。
もし彼女があなたの忠告に従って善行をしたら、あなたには、それを行った彼と同じ報奨があり、もし万が一、彼が従わなくても、ただ、あなたが彼に忠告をしたことで、アッラーからの報奨である、「成功と喜びを得る者」となることは、アッラーによって、クルアーンで保障されているからです。
周りの人たちとみんなで笑って天国に入れるように、少しの勇気を出して、お互いに、忠告し合いましょう。
預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)はこう言われています。
《自分自身を愛するように兄弟を愛すまでは、誰一人信者ということはできない。》
アル=ブハーリーとムスリム出典/40のハディース (14)
預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)は、ここで、≪兄弟を愛すまでは≫と言われました。
「敬虔な兄弟だけを」とも、「信仰厚い兄弟だけを」とも言われませんでした。
私たちは、すべての兄弟姉妹を、自分自身と同じように愛することが、預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)によって、つまりは、アッラーに求められているのです。
自分にひどいことをする兄弟も、ムスリムでありながらアッラーのことを知らない兄弟も、イスラームを知っていながら実行しない兄弟も、自分と同じように愛するように、です。
イスラームに関して、あなたが知っていることを、アッラーのことを知らない周りの人に教えてあげましょう。彼がそれに納得して従うか従わないかは、関係ありません。私たちの義務は、まず、忠告すること、です。
何十年もアッラーのことを知らずに、間違いを犯していながら、アッラーが、私たちをあきらめずに導いてくださって、数十年間の間違いと罪にもかかわらず、あきらめずに、私たちをムスリムにしてくださったことを思い出しましょう。
アッラーがあきらめなかったように、あなたも、周りのムスリム兄弟姉妹たちを、あきらめずに、善いことへと招き、悪い事から遠ざかるよう忠告し続けましょう。
アッラーのサブル(忍耐)の大きさを考えたら、私たちがしなければならない忍耐が、どんなに小さなものか、わかります。
また、ここでの、アッラーへと人々をダアワする人の役割は、アッラーから遠ざかってしまった人々に対して、悔悟をするよう呼びかけ、彼らの心に、アッラーへの愛を植え育て、崇拝行為をすることを好きにさせ、罪から遠ざかりたいと心から思うように駆り立てます。
①悔悟を呼びかけ、②心にアッラーへの愛を植え、③崇拝行為を好きにさせ、④罪から遠ざかるよう勧める。
もちろん、大変です。忍耐や我慢が必要です。でも、アッラーからの報奨は、確定されています。がんばりましょう!!
先ほどのハディース、《自分自身を愛するように兄弟を愛すまでは、誰一人信者ということはできない。》
シリアのイスラーム学者、ラマダーン・ブーティー先生(彼にアッラーのご慈悲がありますように。)の解説では、この兄弟とは、人類兄弟すべて、ムスリムとムスリムでない方たちすべて、ということです。
ここで、みなさんは、もしかしたら疑問に思われるかもしれません。どうやって、人類すべてを自分自身を愛するように愛する事ができるのか?と。
すべての人類を、自分自身を愛すると同じように愛すること、これは、アッラーへの愛の深さによってしか、実現しません。その人の中の、アッラーへの愛だけが、これを実現させます。
なぜなら人間は、すべてアッラーのしもべだからです、それに気付いていようがいまいが。全人類は誰も皆、アッラーがお創りになられました。アッラーのことが好きなら、アッラーのお創りになられたすべてが好きになります。
アッラーはクルアーンの中で言われています。
【かれ(アッラー)は、いやしい水(精液)から、その(人間の)後継者を創られ、
それから彼(人間)を均整(きんせい)にし、かれの生霊(魂)を吹き込まれ、
またあなたがたのために聴覚と視覚と心を授けられた御方。あなた方は、ほとんど感謝もしない。】
聖クルアーン アッサジダ章9節
全人類のすべての人は、アッラーのルーフ(魂)が吹き込まれています。
アッラーのことを好きなら、すべての人を好きにならずにはいられません。
そして、すべての人が好きなら、すべての人の幸せを望みます。
自分に幸せを望むのと同じように、すべての人が、あの世とこの世で幸せになってほしいと望みます。
アッラーの愛によって、このハディースで求められている事が実現します。
そして、ここから、ダアワは始まります。
以上が 講義第一回目のレジュメです。みなさん、いかがでしたでしょうか。
この中の「①ムスリム兄弟姉妹たちへのダアワ」は、お互いを善いことへと招くダアワ、これは、善行を薦め合うことと、悪行(あくぎょう)を禁じ合うことです。
↑Photo by: Ahsan Burhany,Courtesy of International Ramadan Photography Competition
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