バッハ無伴奏ヴァイオリンパルティータ「シャコンヌ」とバッハ=ブラームス「シャコンヌ」(左手のための)
バッハ=ブラームス「シャコンヌ」(左手のための)は、ヴァイオリンソロのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004をブラームスが左手のために編曲したものです。ヴァイオリン奏法独自の分散和音を除いて原曲に限りなく近い編曲になっています。この作品を演奏するたび、ヴァイオリンの旋律の美しさや、4本の弦で演奏されているとは思えない重音の美しさに心動かされます。
‛La beauté de la mélodie'シリーズでは、旋律の美しさを様々な角度から見てみようと、その一環として旋律楽器ヴァイオリンとのデュオコンサートプログラムで、声楽からヴァイオリン、ヴァイオリンからピアノへのトランスクリプション作品を取り上げました。ここでは、バッハ無伴奏ヴァイオリンパルティータ「シャコンヌ」とバッハ=ブラームス「シャコンヌ」(左手のための)を紹介しています。ヴァイオリンからピアノへと旋律が移行させられる時、作曲上どのような工夫が為され、どのような表現が求められるでしょうか。
ピアノは楽器の特性上、鳴らした瞬間から音が減衰していきますが、声楽や旋律楽器は息やビブラート、ボーイングによって音を自在に持続させることが出来ます。ショパンは、ピアノを声楽のように歌わせようとベルカント唱法のポルタートやポルタメントを用いて音が減衰する特性をカバーすることにより、ある意味、声楽の唱法からピアノの作曲技法へのトランスクリプション(相異なる器楽間における楽曲のトランスクリプションではありませんが)をしていたとも言えます。
バッハ=ブラームス「シャコンヌ」(左手のための)では、左手一本で限りなく原曲に近づき、譜面上もほぼ差異はなく、ピアノのこの特性は活かしつつ、奏法によって原曲のバッハ無伴奏ヴァイオリンパルティータ「シャコンヌ」のトランスクリプションを行っているところが興味深いところです。
〜デュオコンサートI ヴァイオリン&ピアノ〜
2014年2月16日 16時開演
Bateau Daphné
Le bateau Daphnéは、paris5区 川岸沿いの道路Montebello11番地に面して停泊しています。
*上記地図参照
ヴァイオリン: 上敷領 藍子 ピアノ:上敷領 美絵
-プログラム-
★バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番 BWV1004 より
「シャコンヌ」
スクリャービン:左手のための2つの小品 作品9
1.「前奏曲」嬰ハ短調
2.「夜想曲」変イ長調
ヴィエニアフスキ:グノーのオペラ「ファウスト」の主題による幻想曲 作20
ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのためのソナタト長調
ファリャ:スペイン舞曲
〜デュオコンサートII ヴァイオリン&ピアノ〜
2014年3月1日 12時開演
カワイ梅田 コンサートサロン'JOUER'
ヴァイオリン: 上敷領 藍子 ピアノ:上敷領 美絵
-プログラム-
ファリャ:スペイン舞曲
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第8番 ト長調 作品30−3
★バッハ=ブラームス:無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第2番 BWV1004 より「シャコンヌ」(左手による)
ヴィエニアフスキ:グノーのオペラ「ファウスト」の主題による幻想曲 作20
スクリャービン:左手のための2つの小品 作品9
1.「前奏曲」嬰ハ短調
2.「夜想曲」変イ長調
ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのためのソナタト長調