Lab / 研究室
本ページでは,榊原研究室の紹介を簡単に紹介します.ゼミ選択の参考にしてください.
なお,木村正人教授,野津裕史教授,Patrick van Meurs助教とある程度一緒に研究室を運営していく予定です.
学生指導歴一覧(最終更新:2023年6月20日)
2023年度
卒業研究:今年は4年生の配属がありませんでした.
修士2年:岡山に残した修士の指導を行っています(名目上の指導教員は大江貴司教授です).面積保存H1曲率流を新たに定義し,その基本的な性質を探っていくことにしました.
→ なかなかうまくいかなかったため,修士論文はサーベイで終わりそうです.博士1年(副指導教員):野津浩史教授のD1の学生さん2名のうち,1名(Putri Kharisma Surya)の副指導教員を務めています.
アンオフィシャルではありますが,岡山のB3の学生さんと一緒に情報幾何ゼミを進めています.読んでいる本は,藤岡敦(著)「入門 情報幾何」(共立出版,2021)です.
→ しっかりとした基礎を身につけるために,J. ヨスト「ポストモダン解析学」(丸善出版,2012)を読むことにしました.
→ 熊本のM1の学生さんとのゼミも始めることにしました.A. Bonito, R.H. Nochetto 編「Handbook of Numerical Analysis - Geometric Partial Differential Equations - Part I」の Chapter 4「Parametric finite element approximations of curvature-driven interface evolutions」を丁寧に読んでいき,今でも難しい研究課題である移動境界問題の数値解析手法の1つを学んでいきます.6/26〜7/31 に金沢に滞在する Czech Technical University in Prague の学生さん(Lenka Horvátová)のうち1名の面倒を見ることになりました.7/4(火),10(月),18(火),27(木)にセミナーを行います.
秋修了の2名のM2(木村研究室)の修士論文の論文審査員(副査)を務めました.
秋修了の4名のD3(木村研究室2名,野津研究室2名)の博士論文の論文審査員(副査)を務めました.
春修了の2名のD3(小原研究室1名,野津研究室1名)の博士論文の論文審査員(副査)を務めます.
2022年度
卒業研究:学部4年生6名.1名は,熊本大学大学院に進学しました.
修士1年:H1曲率流の数学解析に関する勉強をしました.
2021年度
卒業研究:学部4年生5名.1名はそのまま,岡山理科大学の大学院に進学しました.
2020年度
卒業研究:学部4年生7名+1名(下條先生の異動に伴い,秋学期から1名増えました)
2023年度(最終更新:2023年3月29日)
2023年度は,榊原研究室所属の学生はいません.
以下の2020年度〜2022年度の記述は,岡山理科大学における榊原ゼミの内容です.
2022年度
本年度は,6名(男子4名,女子2名)の学生が配属されました.現在,次の文献を輪読しています.
井ノ口 順一(著):曲線とソリトン,朝倉書店,2010年3月
春学期は基本的に,火曜1・2限,金曜1・2限にゼミを行なっています.途中,教育実習の関係もあり,5/20(金)〜7/1(金)は全面的にゼミを休みにしました.
2021年度
本年度は5名(男子4名,女子1名)の学生が配属されました.現在(2021年9月21日),次の3つの文献を並行して読み進めています.
David Joyner(著),川辺 治之(訳):群論の味わい−置換群で解き明かすルービックキューブと15パズル−,共立出版,2010年12月
矢崎 成俊:界面現象と曲線の微積分,共立出版,2016年8月
岡本 久:最大最小の物語–関数を通して自然の原理を理解する–,サイエンス社,2019年3月
・5/10 の週までは,火曜日の3・4限,金曜日の1・2限に C3 号館8階でゼミを行っています.5/17 の週から3週間ほどは,教育実習により学生が少なくなるため,火曜日の3・4限のみ,ゼミを行うことにします.(2021年5月17日)
・中断期間を挟んだりしましたが,6/21 の週から,火曜日の3・4限,金曜日の1・2限の週2体制を再開します.
・夏休みを挟み,9月10日(金)よりゼミを再開しました.(2021年9月10日)
・秋学期は基本的に,火曜日の3〜5限,金曜日の1〜2限にゼミを行いますが,榊原の都合により中止する日もあります.(2021年10月1日)
最終的に各人が取り組んだテーマは以下の通りです.
M.G. さん:ルービックキューブの本を読破して,ルービックキューブの第1基本定理と第2基本定理の証明まで終えました.全体を通して200ページ近く読んだことになると思いますが,大変よくがんばりました.
R.K. くん:界面現象の本を読み終えた後に,狭義凸曲線に対する古典的曲率流の性質を最初に明らかにした,Gage−Hamilton 論文(1986,J. Diff. Geom.)を読み,曲率の全ての高階導函数が時間と共に空間について一様に0に収束することを示しました.Kくんは私の研究室に大学院生として進学します.これまでの経験を活かして,来年度は自身の勉強・研究に加えて後輩の指導も少し手伝ってもらおうと考えています.
S.K. くん:最大最小の物語を読んで,Euler−Lagrange 方程式までまとめました.
H.O. くん:界面現象の本を読み終えた後に,どんな Jordan 曲線を初期値としたとしても,古典的曲率流の下では有限時間で凸になることを示した Grayson の論文(1986,J. Diff. Geom.)を読み,証明の一部をまとめてもらいました.
T.T. くん:界面現象の本を読み終えた後に,重み付き内積に関する等周比の勾配流の性質を調べた Ševčovič−Yazaki 論文(2013,IAENG)を読んでまとめてもらいました.
卒業研究発表会では,次の順番並びに題目で発表してもらいました.
M.G. さん:ルービックキューブの数理構造
S.K. くん:サイクロイドとカテノイド
R.K. くん:凸曲線に対する古典的曲率流の性質
H.O. くん:古典的曲率流におけるジョルダン曲線の凸化
T.T. くん:異方性と平面曲線の勾配流
2020年度
この年度から,岡山理科大学理学部応用数学科で私のゼミが立ち上がりました.当初は7名配属され,秋学期から1名追加で配属され,配属学生は8名(男子2名,女子6名)となっています.最初は,藤田宏・齊藤宣一「はじめての応用解析」(岩波書店,2019)を1人1章ずつ担当して読んでいくゼミを行い,その後は各人の興味に合わせてテーマを設定して,卒業研究を進めています.各人のテーマは以下の通りです.
Y.K. さん:確率微分方程式について,数学的にしっかりと勉強してもらっています.具体的には,石村直之「確率微分方程式入門」(共立出版,2014)を読んで,ブラック・ショールズ方程式まで理解してもらうことが目標です.K さんには,それ以外にも,榊原がこっそりと書いている Lebesgue 積分論のノートを読んでもらい,測度論も同時に勉強しています.
→ ある放物型偏微分方程式の終値問題の解の表現公式を与える,Feyman–Kac の定理まで理解してくれました(4年生としては驚くべき成果です).K.T. さん:Fourier 解析をしっかりと勉強してもらっています.今は,藤田宏・齊藤宣一「はじめての応用解析」(岩波書店,2019)の第7章を読みつつ,必要に応じて,藤田宏・吉田耕作「現代解析入門」(岩波書店,1991)を読みながら,Fourier 変換の理論を調べています.
→ ケルナー著「フーリエ解析大全〈下〉」に移り,中心極限定理を Fourier 解析に基づいて解析的に証明するところまでいきました.M.T. さん:コーヒーの抽出モデリングの論文を読んでいます.色々と不明瞭な箇所が多かったのですが,しっかりと勉強してくれるおかげで,だいぶクリアになってきました.
→ 最終的に,論文を全て読み切ってくれたので,その内容をまとめてもらうことになりました(大変よくがんばりました).M.T. くん:偏微分方程式の数値解法である,差分法と有限要素法の数学理論の基礎を理解することを目標としています.現在は,榊原の師匠である齊藤宣一先生(東京大学)の講義ノートを読んでいます.
→ 熱方程式に対する差分法の l^\infty 解析まで勉強してくれました.M.N. さん:天体運動をシミュレーションすることを目標としています.今は,そのための有用な数値計算手法であるシンプレクティック法を,Hairer–Lubich–Wanner "Geometric Numerical Integration"(Springer, 2006)を読んで勉強しています.
→ シンプレクティックオイラー法まで勉強してもらいました.A.N. さん:雪の結晶成長について勉強しています.まずは,田中–木村「特異性を持つ多角形運動と雪の結晶成長モデルへの応用」(数理解析研究所講究録,2015)を読み,現在は,実際に数値計算のためのプログラミングをしてもらっています.
→ 田中–木村論文の数学的な内容をしっかりとまとめてもらうことになりました(大変よく頑張りました).A.M. さん:BZ 反応の数理を調べています.Egami "Mechanism for the color transition of the Belousov–Zhabotinsky reaction catalyzed by cerium ions and ferroin"(DCDS, 2018)を読んでいましたが,数学解析のところで知識を蓄えなければならないので,現在は,桑村雅隆「パターン形成と分岐理論」(共立出版,2015)を読んで,力学系と分岐理論について勉強してもらっています.
→ 分岐理論を勉強してもらい,Egami 論文における,「平衡点からの分岐としての周期解の出現」を理解するところまでいきました.R.Y. くん:秋学期から私の研究室に移ってきました.現在は,岡本久「日常現象からの解析学」(近代科学社,2016)の表面張力の章を勉強しています.
→ 極小曲面まで勉強してくれました.
卒業研究発表会では,次の順番並びに題目で発表してもらいました.
M.N. さん:惑星運動
Y.K. さん:確率微分方程式の基礎
K.T. さん:フーリエ変換と中心極限定理
R.Y. くん:表面張力と極小曲面
A.N. さん:雪の結晶成長
A.M. さん:BZ 反応の数理モデル
M.T. さん:マルチスケール法を用いたコーヒー抽出の数理モデル
M.T. くん:偏微分方程式の差分解法