赤ちゃんに何語で語りかけ、あやしますか。
お子さんと何語で会話を交わしますか。
自分が一番よく表現できることばが、社会で使われていることばと異なる場合や、自分とパートナーのことばが異なる場合、家族で使うことばについて考えることが必要となるかもしれません。また、子どもの成長過程で、家族間でのことばが変わっていくこともあるかもしれません。
多くの研究で、親自身が最も豊かに表現ができることばで育児をすることの重要性が指摘されています。親が一番自然に自由に話せることばで赤ちゃんに語りかけ、あやし、歌い、遊び、読み聞かせをすることは、ふれあいを豊かにし、親子のつながりを深めるだけでなく、同時に子どもが身につける複数のことばの大事な基礎となるでしょう。また、子どもが自身のアイデンティティを育んで自尊心、自己肯定感を持ち、自分を取り巻くことばや文化の多様性に気づき、受け入れる能力にもつながるでしょう。
子どもにとっては祖父母やいとこなどの親族と交流できる喜びはもちろんのこと、同じことば・文化的背景を持つコミュニティとつながりを持ち、交流の幅を広げることも可能になります。子どもが思春期に入り、心身ともに不安定な時期を過ごす時も、親と子の間で心を通わせることばがあるということはとても大切です。
自分のルーツのことば・文化とつながることは、さまざまな可能性を広げます。人との出会いや進路、就職の選択が広がるだけでなく、他の異なることばや文化を尊重する平和な世界を構築できる人間形成へとつながっているとも言えるでしょう。
MHB学会 海外継承日本語部会では、子育てのことばを考える機会を持てるよう、世界各地で作成されたパンフレット・ウェブサイト・参考図書を集めました。まだここで紹介していないものがありましたら、ぜひ部会の窓口に共有をお願いいたします。
このウェブサイトがみなさまのお役に立つことを願っています。
ーMHB学会 海外継承日本語部会