研究内容

日本における初期リテラシーの獲得は、多くの子どもにおいては幼児期に進行します。いっぽう、文字表現の使われ方と文字の機能の自覚という点に着目すると、幼児にとっての文字は、学童期のそれとは大きく異なる存在であることが見えてきます。「正しく何文字を読めるか/書けるか」ではなく、幼児が文字を使って表現したくなる/伝えたくなるのはどのような場面かを明らかにするとともに、そのような機会を豊富に提供可能にする保育実践のポイントを探ることが、本研究の目的です。

【最近の主なおしごと】

保育所・幼稚園における保育実践は、「遊び」を中心とする総合的指導を介し、教科教育とは異なるスタイルで子どもの学びの成立を支える営みです。保育実践の質を検討するうえで、「遊びの質」をいかに規定し、それを具体的な保育づくりにつなげるかは、国内外を問わず注目度の高い論点となっています。「遊び」とは何より面白さ。保育全般における遊びの質の高まりを支える手立てとは、それを具体化し、保育実践の現場で活用したくなるアセスメント方法とは何かという視点を中心に、松井剛太研究室・香川大学教育学部附属幼稚園ほかと共同で、これらの問題にアプローチしています。

【最近の主なおしごと】

“目指すゴールはいくつかある”“正しさよりも面白さ”など、乳幼児・児童期における創造性や好奇心の発達を支え、引き出そうとする取り組みにあたっては、実践内容は異なっても共通する方向性を見出すことができます。たとえば保育実践とアートの実践にはどんな共通点を見出すことができるのか。「アートを教える」のではなく、アートを介して保育をつくることで豊かになる子どもたちの経験と可能性とは何であり、それを一人でも多くの子どもたちにどのように保障できるか。ITを用いた創造性教育において「技能の習得」にとどまらない成果があるとすればそれは何か。松井剛太研究室や常田美穂研究室、香川県立ミュージアムやNPO法人アーキペラゴ、株式会社テックプログレス等と連携しながら、これらの問題にアプローチしています。

【最近の主なおしごと】