Q1 遺言の種類
Q1-01 遺言にはどのような種類がありますか?
A1-01 通常の遺言である普通方式の遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
死期が目前に迫っている場合など普通方式による余裕がない場合特別方式による遺言もあります。
Q2 遺言の作成
Q2-01 遺言はどうやってつくるのですか?
A2-01 公正証書以後は、公証人役場へ行って作成していただきます。公証人に内容を伝達することで足ります。
自筆証書遺言は、自分の手で簡単に作成できます。
自筆証書遺言の作成のポイントは、以下のとおりです。
①全文を自書し、
②作成日付を必ず記入する、
③氏名も自署で行い、
④押印をする(できれば実印) ということになります。
Q2-02 認知症の状態でも遺言は作れますか?
A2-02 遺言を作成するためには、遺言能力が要求されます。
遺言能力とは、遺言の意味やその律上の効果如何を理解をする能力のことを言います。
遺言能力がなければ、遺言の作成は無効となります。認知症の状態は、この遺言能力に疑問がでる状況です。
認知症の状況では難しいと言えます。場合によって、後日、遺言の無効を争われる原因となりかねません。
できれば、認知症に前に、公証人役場での公正証書遺言を作成るのが望ましいです。
なお、公証人が遺言能力ありとして、遺言を作成しても、後日裁判所の判断で無効とされることもあります。
Q3 遺言の内容
Q3-01 遺言執行者ってなんですか?
A3-01 遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、必要な行為や手続きをする者を言います。
通常は、遺言の内容として定められます。誰でも執行者として指定することは可能です。
もっとも相続人の一人を指定する場合もありますが、相続人間でもめる可能性もあります。
そのため、遺言執行者には、弁護士などの専門家が指定されることも多いです。
Q4 遺言では、どのようなことをさだめるのですか?
A4 法的効力があるのは、民法上10種類とされています。
認知、遺贈等財産の処分、未成年後見人の指定、相続人の廃除および排除の取消、相続分の指定等、
遺産分割の方法の指定等、遺産分割の禁止、相続人相互の担保責任の指定、遺言執行者の指定等、
遺贈減殺方法の指定です。
Q5 複数の遺言があった場合にはどうなるのですか?
A5 複数の遺言がある場合、作成の先後関係が重要となります。先の遺言と後の遺言の抵触がないときは、両方とも
有効な遺言となります。抵触があるときは、抵触する部分について、後の遺言が優先します(民法1023条1項)。
なお、遺言の方式には、自筆証書によるもの、公正証書によるもの、秘密証書によるものがありますが、
方式によって、効力の優劣はありません。
Q6 遺言の撤回・変更はできますか?
A6 民法では、1024条前段において、遺言の撤回を規定しています。
「遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を取り消したものとみなす。」と
定められています。ここでは、「取り消し」と規定されていますが、「撤回」と一般的に解釈されています。
また、自筆証書遺言の場合、変更をするには、その手続きが規定されています(民法968条2項)。
遺言者が場所を指定し、変更したことを付記し、署名の上変更場所に印を押すという方式による必要があります。