審判の目 第11号
全力で1塁ベースの先まで駆け抜けていますか?
今回は、私が所属しているチームの選手のお父さんであり、学校で陸上部の顧問をされている方との会話で気づ
いた「1塁駆け抜け・・・セーフの秘訣」をご紹介します。
そもそも、「今回のタイトル、変じゃない?1塁ベースの先?1塁ベースじゃ駄目なの?」
と、思う方もいると思います。
誰でも、ピッチャーからの投球を打ち返し、クリーンヒットにならない場合でも、どうにかして1塁でセーフになりたい
気持ちは同じだと思いますが、少年野球で言えば、約23メートルを全力で走る場合に、あなたにとってのゴールは、
1塁ベースですか?それともベースを踏んだ更に1メートル先ですか?と、いう事が文章の初めの会話の中の「セーフ
の秘訣」です。
その方は陸上競技に関しては幅広い知識をお持ちですが、野球部の顧問をされた時期もあり、走塁に「ストップ
ウオッチ」を活用されていたそうです。 その結果、わずかに1/100秒なのかもしれませんが、心に目指す場所を少し
先に置くだけでも、試合での出塁率は上がったのだそうです。
秘訣は、練習でも試合でも「セーフになりたい気持ちを込めて走っているか?」ということです。
「気持ちが入らない、心が入らないランナーは、野球でも陸上でも成長は無い。」と言い切っていらっしゃいます。
●審判員にとって
1塁のベースラインに沿ってバッターランナーを待ち構えている時、「明らかなアウト」は平常心で行う判定です。
でも・・・真剣に全力で走って来るバッターランナーの場合、送球と捕球と触塁を見極める「緊張の瞬間」です。
●守備をする側にしてみると
全力で走らないバッターランナーは、余裕でアウトにできて楽勝です。
でも・・・足の速いバッターランナーは1塁への送球も焦り、送球ミスも起こしがちです。
あなたは、私たち審判員を緊張させていますか?
守備側の選手を焦らせていますか?
メジャーリーグのイチロー選手が、1塁へ全力で走っていない姿をテレビで見た事ありますか?
自分が「セーフになりたい!」と思う気持ちを持って、今週末は1塁に走ってみてください。