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スペシャルセッションの詳細
SP1: 近年の大雪被害を踏まえて今後の道路気象・雪氷環境変化への対応について
キーワード:冬期道路、立ち往生、道路気象・雪氷環境変化
代表コンビーナ:福原輝幸(広島工業大学)
共同コンビーナ:松澤勝(寒地土木研究所)、藤本明宏(福井大学)
趣旨:
近年、集中豪雪による立ち往生が大きな社会問題となっている。平成28年~30年の間だけでも新潟、鳥取、福井で大規模な立ち往生が発生した。こうした事態を受けて、国土交通省は大雪に対する道路交通への障害を減らすための方策を検討することを目的とした「冬期道路交通確保対策検討委員会」を設置し、雨量規制のような予防的通行止めによる集中除雪の導入が決まった。また。チェーンをせずに大規模な立ち往生の引き金になった場合のペナルティーについて検討することが盛り込まれた。
本セッションでは、道路気象や雪氷環境のみならず大雪時の道路雪対策の在り方が大きく変化しつつある中、被害の実態、新たな問題点や課題、それらを克服するための技術、将来の展望について、雪工学の観点から発表・議論していただく。
SP2: 2017/18年冬期の大雪と広域雪氷災害
キーワード:2017/18年冬期の大雪,雪氷災害,防減災対策
代表コンビーナ:河島克久(新潟大学)
共同コンビーナ:上石 勲(防災科学技術研究所)、高橋 徹(千葉大学)、本田明治(新潟大学)
趣旨:
2017/18年冬期は北陸地方を中心に広範囲で大雪となり,雪による死者は全国で116人に上った(2018年4月13日消防庁発表)。また,幹線道路の長時間立ち往生,建物やビニールハウス等の倒壊,ライフライン(生活道路,鉄道,水道)の障害等が各地で発生しており,広域的かつ多方面に大きな影響を及ぼした。これに対して,日本雪氷学会と日本雪工学会では,2018年2月13日に調査チームを立ち上げ,広域的な雪氷災害の調査を連携して実施してきた。
本セッションでは,極端な大雪をもたらした大気場,降積雪特性,各種雪氷災害の実態や発生過程等を総括的に議論することによって,多分野の研究者が今後の防減災対策に向けて分野の垣根を越えて意見交換できる場としたい。なお,本セッションは,上記調査チームのみならず,会員各位に広く研究発表を呼びかけるものである。
SP3: ここまできた凍害対策技術2018
キーワード:地盤、凍上、凍害、対策技術
代表コンビーナ:熊谷浩二(日本雪工学会凍害対策研究委員会事務局長、元八戸工大)
共同コンビーナ:堀江征信(日本雪工学会凍害対策研究委員会事務局)
招待講演者:佐藤厚子氏(寒地土木研究所)
趣旨:
地盤の凍上・凍害は最近の 気候変動による現象の激甚化や発生地域の拡大化が生じている。また、豪雨や豪雪による被害においても凍上・凍害現象がその誘因になっている可能性も指摘され始めている。
このため、このセッションでは最近の知見とともに、実用化されている工法や技術に関した発表・討論を行う。これらの対策技術についての討論を通じて、最近の知見や対策技術がさらに普及・貢献することを目的にしている。なお、このセッションでは、30年にわたり調査・研究に取り組んできた当委員会の成果も概観するとともに、最近の研究動向についての招待講演「北海道における土構造物の凍上による破壊事例と対策」を行う。
SP4: 永久凍土がつなぐ寒冷圏の研究・手法の最前線
キーワード:永久凍土,寒冷圏陸域(北極陸域),他分野・他手法横断
代表コンビーナ:斉藤和之(JAMSTEC)
共同コンビーナ:飯島慈裕(三重大学)、原田鉱一郎(宮城大学)、渡邊達也(北見工大)、岩花剛(アラスカ大)
招待講演者:未定
趣旨:
永久凍土は寒冷圏の熱・水・物質循環,生態系,現地社会など多様な相互作用系で主要な役割を果たしている.これまでも国内・外での凍土関連研究の蓄積はあるが,遠隔地ゆえの観測の局在と寡少性,また関連する領域の幅広さから,国内での各研究は分散的傾向にあった.GRENE北極研究事業での陸面モデル比較実験(GTMIP)は,多分野・他手法の研究者と知見を統合する枠組みとして企画され一定の成果を収めた. 本セッションでは,その方向をさらに推し進め,モデル・衛星・現地観測等の手法や分野にまたがる知見を共有し,永久凍土を軸とするより組織立った研究計画指針とその持続可能な研究体制を構築するための具体的な議論を発展させる契機とすることを目的とする。
SP5: グリーンランドにおける環境変動研究のフロンティア
キーワード:
代表コンビーナ:榊原大貴(北大)
共同コンビーナ:安藤卓人(北大)、島田利元(JAXA)、大沼友貴彦(東大)、猿谷友孝(長岡技大)
招待講演者:
趣旨:
北極域の急激な気候変動の影響を受けて、グリーンランドを取り巻く環境は著しく変化している。たとえば、気温上昇やアルベド低下によって氷床の質量損失が促進されるとともに、氷床からの淡水流出の増加が海洋環境に影響を与えている。これらの変化を理解して将来変動を予測するためには、現在進行している現象を詳細に観測・解析するとともに、氷コア等による過去の環境変化の復元や数値モデルによる将来変動予測が重要となる。このような背景に基づいて、国内でも多数の機関がグリーンランドに着目して活発に研究活動を実施しており、毎年成果が続々と報告されている。そこで昨年に引き続き、気象、氷河氷床、海洋海氷、氷コア解析、数値モデル等の幅広い分野を対象とした分野横断型のセッションを設けることで、他分野の最新の知見を共有する。そして、分野連携の進展や新たな知見の創出によりグリーンランドの統合的な理解を促進することを目的とする。
SP6: 雪氷圏のホットスポット
キーワード:積雪、凍土、海氷・湖氷・河川氷、氷河・氷床
代表コンビーナ:鈴木和良(JAMSTEC)
共同コンビーナ:山崎剛(東北大学)、川瀬宏明(気象研究所)、斉藤和之(JAMSTEC)、本田明治(新潟大学)、山崎学(野外科学株式会社)、本谷研(秋田大学)
招待講演者:松村伸治(北海道大学)
趣旨:
本セッションでは、「雪氷圏のホットスポット」を次の様に考える。雪氷圏において局地的に雪氷変動が活発であるか,またはその影響が顕著に現れている地点・地域を、「雪氷圏のホットスポット」と呼ぶ。これまで、雪氷圏において海氷や氷河・氷床の減少、春先の積雪面積の減少、さらには凍土域の地温上昇が報告されている。こうした雪氷圏の変化は、地域や事象によって、その変化の現れ方は大きく異なると考えられる。本セッションでは、雪氷圏で現在大きな変化が生じている事象や地点・地域の抽出と周辺環境への影響、ならびに情報共有を目的として、「雪氷圏のホットスポット」に関連する研究発表を募集する。