東京理科大学数学教育研究会で算額の作図について講演させていただいた(2022. 4. 17)。もう少し解説がほしいというお話をいただきました。筆者の備忘も兼ねてupさせていただきます。
★奈良県大和郡山市の庚申堂の算額
問題,図1のように,大円に内接する甲円がある。大円と甲円の間に,2円に接する乙円,丙円,丁円を入れる。
大円と甲円大円の直径が1尺6寸,甲円の直径が9寸6分であるとき,乙円,丙円,丁円の直径を求めよ。
答え,乙円の直径は6寸,丙円の直径は4寸,丁円の直径は2寸4分である。
作図,以下の図1は,CinderellaとCindyScriptによる作図した結果を出力した結果である。
図2は,Cinderellaで作図する際のCinderellaの画面である。青色の線はCinderellaの画面上の作図である。黒色の線はCindyScriptによって作図されたものである。
図3,図4はCindyScriptによる作図の過程を示した一例である。
参考:
小寺裕先生の「和算の館」http://www.wasan.jp/nara/kosindo.html
★KeTCindyについては,
https://s-takato.github.io/ketcindyorg/indexj.html
をご参照ください。
図1
図2
図3
図4
★和算の用語
和算の用語について,気が付いたものについて,こちらに追記していく。
鉤股弦(こうこげん):直角三角形のこと。鉤と股の長さは,鉤<股である。鉤のことを「つり」ともいう。また,股のことを「はたばり」ともいう。斜辺を「弦(げん)」という。勾殳玄と書くこともある。
欠鉤(かけつり):鉤の一部分をいう。
欠股(かけはたばり):股の一部分をいう。
算額の英語紹介
Sangaku is a custom that arose during Edo period to make many people aware of the knowledge gained from the study of mathematics ad aware of the creation of mathematical problems.
算額とは、江戸時代に数学から得られる知識を多くの人に知ってもらい、数学の問題作りを意識してもらうために生まれた習慣である。