実践心理コースでは、病気・障害の有無にかかわらず、すべての人が環境と関わる中で起こる心理・社会的諸問題を解決し、身体的、精神的、社会的に良好な状態(健康)で充実した生活をおくるための支援を実践的かつ体系的に学ぶことができます。また、本学群の特色である健康と福祉に関する科目を組み合わせ、心と身体の健康に関する心理・社会・生物学的アプローチを学び、トータルな支援に生かすことができます。計画的な学修を通して心理学の専門性を身につけたうえで、隣接領域も学ぶことで、一般企業や行政、教育機関など、幅広い業界・職種への道が拓かれます。同時に、国家資格である公認心理師の受験要件を満たすための学士課程科目が体系的に編成されています。また、認定心理士や健康心理士の資格取得に関わる科目も配置されています。
「専修科目」は、心理学に関連する「基礎系科目」と「発展系科目(応用・実践)」を積み上げて学修するように構成されています。1年次春学期に心理学の概要や心理学研究の基礎をなす統計法を学び、2年次からは、研究法を履修して基礎固めを行うと同時に、幅広い心理学の知識と技能を様々な実践の場で適用するために必要な科目を、応用・実践系科目を中心にして体系的に学びます。公認心理師国家試験の受験資格取得を目指す場合、3年次、4年次の必修科目である「心理演習」 「心理実習」 を含めた指定科目27科目56単位を修得することで、学士課程における要件を満たすことができます。「心理演習」 「心理実習」 の履修には、先修条件となる科目を全て修得する必要があります。加えて、それら先修科目の成績によって履修の可否が判定されます。「心理演習」は、先修条件となる5科目の平均GPAを基準として、平均GPAが2.00未満の場合、履修を認めません。「心理実習」は、「心理演習」の先修条件となる5科目に加え「心理実習」の先修条件である7科目、計12科目の平均GPAを基準として、平均GPAが2.00未満の場合、または「心理演習」の履修時における断わりのない遅刻・欠席が3回以上ある場合、履修を認めません。なお、「心理実習」の履修希望者がリベラルアーツ学群の履修希望者とあわせて上限45名を超える場合には、上記12科目の平均GPAを基準とし、選考を行います(GPA3.00以上を目標の目安とする)。
健康や福祉、スポーツなど、他専修の科目や学群共通科目をあわせて履修することで、より多角的な視点から心と身体の健康について学びます。
所定の科目の計画的な履修により、認定心理士・認定健康心理士の資格申請も可能になります。
本コースには、マイナー制度があり、他専修他学群生であっても要件を満たすことによって、「実践心理」を専門(副専攻)として学修したことが認められます。ただし、リベラルアーツ学群心理学プログラムをメジャーまたはマイナーに登録した者は、「実践心理」をマイナーとして登録することはできません。
年次毎の科目履修の道筋を示したチャートに沿って、自分の興味 ・ 関心やニーズに合った履修計画を作成し、心理学の「基礎」から「応用」そして「実践」へと高度な知識 ・ 技能を積み重ねていきます。
グループワークや参加型授業での話し合いや発表などを通して、対人的なサポートに欠かせないコミュニケーション力とカウンセリング・マインドを養い、またチームの一員として互いを尊重し支援し合う姿勢を身につけます。
公認心理師指定科目では、1年次秋学期に「公認心理師の職責」を履修し、公認心理師の職責と義務、倫理について学ぶことで職業意識を養います。3年次には少人数制の 「心理演習」 を履修し、心理支援を要する人とのコミュニケーション、心理検査、心理面接などをロールプレイで学び、かつ事例検討を通して実践力を高めます。4年次には、保健医療、教育、福祉などの分野に関する施設見学に事前・事後学習を含めた少人数制の「心理実習」(80時間)を通して、対人援助に必要な資質・能力を体験的に修得します。
学修成果は「卒業認定 ・ 学位授与の方針」に定められた項目と、学修方法 ・ 学修過程(カリキュラム ・ マップ等)により示された、科目が目標とする学修の到達度が学生自身にとってどの程度であったかを示すものです。したがって学修成果は科目それぞれで設定され、シラバスに記載されています。
各科目の内容と到達目標、評価方法はシラバスに明示され、授業の目標に対する学生の到達度を担当教員が厳正に評価します。この点は、学群全体に共通します。
公認心理師の指定科目である「心理実習」では、実習施設の指導者および実習担当教員による評価を基本としつつ、学生との面談や記録からの情報を勘案し、教員間で協議し、総合的に評価します。
評価は、単なる結果の伝達にとどまらず、学生自身が成果を振り返り、今後の課題を明確にするための重要なステップとして位置づけています。