アジアの建築
【授業の目的】
本授業における「アジア」とは、大まかに「西洋ではないこと(=非西洋)」を意味しています。従来のように「西洋」と「日本」との対比ではなく、広く地球規模の観点から、自然と人間との関わりの中で建築の原点を捉え直していく試みです。人間にとって建築という行為は、動物や昆虫の巣作りと同じではない側面をもっています。広い視野をもち、これからの建築を考えていくための、さまざまなヒントについて考えていきます。
【授業の概要】
第1回 イントロダクション
授業の目的と進め方/アジアとは?/「3びきの子ぶた」の家
第2回 エスノ・アーキテクチュア
建築家なしの建築/エスノ・アーキテクチュアとは?/建築における多様性
第3回 ミャンマーの木の建築
掘立柱の高床建築/どうやって柱を立てたか?/なぜ高床にするのか?
第4回 ミャンマーの木の建築
切妻屋根のかたち/竹と草の建築/屋根にみる象徴性
第5回 ブータンの土の建築
土を使った建築/丸い建築と四角い建築/型枠の使った版築工法
第6回 ブータンの土の建築
職人さんへのインタビュー/土の建築は地震に弱い?/近代化によって何が変わったか
第7回 カンボジアの石の建築
なぜ石で建築をつくるのか/石の掘り方、運び方、積み方/石で屋根を架ける
第8回 カンボジアの石の建築
空からみたアンコール/「立体曼陀羅」としての都市/調査から分かったこと、まだ分からないこと
第9回 変容する建築・建築の継承
建築は「進化」する?/都市の住まい、田舎の住まい/社会変化と建築の変容
第10回 変容する建築・建築の継承
残るものと失われるもの/文化財としての建築の継承/記憶としての建築
第11回 地球規模で考える建築
右か左か、上か下か/丸と三角と四角/妻入か平入か
第12回 地球規模で考える建築
部分から全体へ、建築から都市へ/なぜ高さを競うのか?/ジェンダーからみた建築
第13-14回 まとめ