ハックツ
魅力を発掘
SAYAKO AOYAMA
穴の空いている面が前を向いていることの多いボタンですが、サイドに目線を変えてみると、貝の層による個性的な表情を見つけました。
「ハックツ」のコレクションでは、そんなボタンの横顔にスポットを当て、
まるで発掘された鉱石のようなランダムな形のジュエリーに仕立てました。
1つひとつ異なる色やカタチ。手に取った方の個性やスタイルが表現できる遊び心あふれるコレクションです。
Research
皆さんがお持ちの服に付いているボタンはどんな素材でしょうか?
実際に私の持っている服は大半がプラスチック製品のボタンで、貝ボタンは一部でした。この度のプロジェクトを通して、身近なボタンにより興味を持つきっかけをいただきました。
今回ご協力いただいた株式会社トモイ様は、国内シェア約50%を占め、有名ブランドからも高い評価を得る貝ボタンの会社様です。
良いもののみをお客様のもとに届けたいという想いを持ち、細部にまでこだわり、つくられたトモイ様の貝ボタンは、今まで見たことのないような美しいボタンだと感じ、実際に触れた時の肌あたりの良さや、手作業での選別など人の手が多く関わるところに大変感動しました。その中で、厳しく選別されるからこそ、製品として出すことが難しいものたちをこの度お譲りいただくことができました。
どのような角度から見ても美しい貝ボタンの魅力が多くの方に伝わりますようと、願いを込めて横からの景色を楽しむことができる、層の重なりの順番や金属との組み合わせにこだわって構成しました。また、貝ボタンの層にしてから一気に削り出す作業は非常に根気のいるものでしたが、ヤスリ目を徐々に細かくしていくことで見える新しい輝きに喜びを感じながら丁寧に仕上げました。それはまさに私がボタンの魅力をハックツした貝ボタンの鉱石のようです。身に着けた方にも身近なボタンの存在をハックツしていただけると嬉しいです。