- KIOKU -
記憶
記憶
LIN YI-CHIEN
貝に耳を傾けると、海の音が聞こえた。
子供の頃、自分の殻の中に海の記憶があるような気がしていた。でも大人になってからはなぜか断片的であまり覚えていない。
貝のジュエリーというと、正式の場につけるもの、年配の人が身につけるものという硬いイメージがある。
だから私は、日常的に身につけられるような、美しくも派手でない、心の中にある思い出のような、温かくて柔らかいジュエリーを作りたかったのです。
貝を伝統工芸の金継ぎによって記憶つながれ、過去の記憶を呼び起こし、その記憶を私たちの手元に残してくれることを願っています。
Research
貝は、長い歴史を持つアイテムです。
多くの人が思い描く姿は、どこか古典的で懐かしいものでしょう。
こうしたイメージは、その美しさや価値を決して否定するわけではありません。
ただ、その魅力が時代とともに薄れてしまった面もあるのです。
この古いイメージを覆して,そして日常的に身につけられるよう。
今まで感じていた「貝」の固定観念を捨て、新しい視点でその魅力をジュエリーという分野で感じていただけると幸いです。