Gemtle
Gemtle
RYO NAKAJIMA
Gemtle(ジェントル)は宝石や鉱物を表す「GEM」と素材であるべっ甲を生み出す「TURTLE(亀)」、また、商品デザインの基となっている「GEOMETRY(幾何学)」の語感を組み合わせて名づけました。
海に生きる亀たちが創り出した美しいべっ甲。それを「生物が生み出す宝石」としてとらえ、ジオメトリックなフォルムのジュエリーを提案します。べっ甲の有機的な模様と、メタルの無機質な質感がシンプルなラインで繋がり、モダンでユニセックスなアイテムになりました。個性的な形状や模様でありながら身に着けた方にすんなりとなじむ。そんな誰に対しても優しい「Gemtle」なジュエリーになれば幸いです。
Research
なにわべっ甲プラージュ様は、本物の鼈甲の良さを多くの方々に知ってもらいたいと様々なことに挑戦されている企業様です。べっ甲の素材加工や装飾品製作はもちろん、べっ甲の原材料である、タイマイという亀の養殖を石垣島でされているというお話にはとても驚きました。
日本では、長崎べっ甲・なにわべっ甲・江戸べっ甲と、主に3つのべっ甲製品の産地がありますが、その中でも、なにわべっ甲は「透かし彫り※」を得意とされているということを学びました。(※「透かし彫り」とは、素材を糸ノコなどで切ってくり抜き、レース模様のように細工し繊細な表現ができる技術のことです。)強度や模様の見え方も含めた美しさなどが緻密に計算された美しい作品の数々は鼈甲細工の魅力と技術が存分に発揮されており、制作現場を見学した際に大変感銘を受けました。
今までの私のべっ甲のイメージは「高級品」や「ご年配の方が身に着けている」といったもので、敷居の高い素材に感じていました。プラージュ様のお話の中で「伝統工芸をこれからも長く受け継いでいきたい」「鼈甲の良さを幅広い年齢の方に知っていただき、身に着けてほしい」ということや、制作者の私たちに対しては「若い感性で自由にべっ甲を使った表現をしてほしい」といった思いを伺いました。その思いを大切にしながら、私のジュエリーコレクション「Gemtle」をデザインしました。ぜひ身に着けて、べっ甲の魅力を感じていただけたら幸いです。