YUJI KOZAI / 香西 優仁
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Filters
[ Pumps ]Leather, Cigarette filter, Rubberタバコのフィルターはポイ捨てされるプラスチックゴミの中でも最も多いゴミであり、環境汚染の大きな原因になっている。SDGsの観点からそのフィルターを洗浄・分解・再利用し、新たな素材として靴を制作した。リサイクルに加え、ゴミとなるフィルターを用いたことで、喫煙者へのポイ捨て注意を呼び掛ける。これは靴を用いた喫煙者から喫煙者への注意喚起である。
フィルターを使うにあたって様々な実験をした。木工用ボンドと黒のインクをフィルターに浸け、固めるとほぐしたフィルターの形状を残したまま固まる。さらに、やすりで削ると光沢が出ることもわかった。熱を加えるとフィルターが溶けて広がる。これを利用して靴を制作していく。
フィルターの黄ばみ、匂い、タールやニコチンなどを洗い落とすため沸騰した鍋の中に入れ約20分煮込むみ、汚れた水を捨てる。その工程を3回繰り返す。煮込んだ後、洗濯用洗剤で残った黄ばみと匂いを取り除く。それと同時にフィルターを解す。
木工用ボンドと黒のインクを混ぜる。そこに解したフィルターを浸ける。綿の紐とバフをしたアッパーにフィルターを付ける。
ガイド用のタックスをラストに打ち込む。紐を温めて柔らかくし、ガイドに沿って紐を取り付けて整える。その後、本底とヒールを取り付け、全体的にフィルターを付ける。
喫煙者が捨てた吸い殻(約120本)が別の形に生まれ変わり、人を支える物に変わった。磨けば綺麗に光沢が出る。しかし、いくら綺麗に磨いてもじわじわと蝕まれる現状をフィルターを使って表現した。少しでも喫煙者としての責任を意識してもらえることを祈っている。
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