研究室紹介

2017年度 研究室配属のための資料として作成

皆さんが社会の第一線で働いているだろう2040年には,今以上の過酷な仕事の現場が予想されています.

上図は,2015年時点での人口構成(実績値)と,低出生率と長寿命化が続いた場合の2040年の人口構成(予測値)を示しています.これを見ると,皆さんが第一線で活躍しているだろう2040年頃には皆さんと同世代やより若い世代の人口は28%減になっています.つまり,単純に考えれば,今4人でしている仕事を3人足らずでしなくてはならない計算になります.現実はもっと厳しいかもしれません.

特に,日本はアメリカやドイツなどの先進国と比べて労働生産性※が低い,とも言われています(※投入した労働量に対してどれくらいの生産量が得られたかを表す指標).まさしく,日本は労働者の力で支えられてきた感があります.しかし,人口減少を迎えた日本では,今後はこれが期待できません.これに対して,今現在,働き方改革として,ものづくりの現場の効率化や合理化が検討されています.いかに効率よく生産活動を行うのかを考えています.

生産マネジメントは,生産システムの効率化・合理化・最適化を図るための活動を指します

最近では,データ分析や情報通信技術(Information and Communication Technology: ICT)に大きな期待が寄せられています.

生産マネジメント工学研究室では,データ分析やICTなどを駆使した生産マネジメントの方法について研究しています.

設計(デザイン)とは,人間が求めるモノを新たに創造する活動です.今までになかった新しいモノを設計することは,クリエイティブな活動であり,製品や仕組み,システムを設計する技術者も立派なクリエイターだと言えます.

本研究室では,『ものづくりの現場をデザインする』クリエイティブな研究を実践します.

〔最近の研究テーマ〕

データビジュアライゼーションの探究と生産マネジメントへの応用

(平成29-31年度科学研究費助成事業)

次世代生産システムに向けたICTに基づく品質マネジメントシステムの提案

(平成27-29年度科学研究費助成事業)

サプライ・チェーン環境下での制度設計による流通合理化・最適化

(平成26-29年度科学研究費助成事業)

〔研究室の方針〕

◎数学(確率・統計含む),プログラミングを多用します.各人の理解度を踏まえて,「0」(ゼロ)から丁寧に教えます.

◎教育とはかけ算であるという言い方があります(『数学は役に立っているのか?』,儀我・小林 (編),丸善出版,2012).教える側と教わる側,そのどちらか一方のやる気が「0」であれば,双方がそれぞれに高い能力を持ち合わせていても,答えは「0」であり,教育としての体をなしません.しっかり教えますので,学ぶことに興味を持って,一緒に頑張れる学生を希望します.

◎「答えのある問題を正確に解ける人材」よりも「答えのない問題に対して,自分の頭で考え,自分から行動して正解を作り上げていく人材」が今求められています(『池上彰の「日本の教育」がよく分かる本』,池上彰,PHP文庫,2014).学生がゼミを通じて,自分なりに「正しいこと」を見つける方法を身につけられるようサポートします.