ロボット競技大会は,全国の専門高校等で学ぶ生徒が、ロボット競技大会への参加を目指し、仲間と協力しながら新鮮な発想で工夫を凝らし、創造力を発揮してロボットを製作する。また、その取組の過程を通して、ものづくりの技術・技能を習得し、次世代を担う技術者としての資質を向上させることを目的としています。また,資源の節約やリサイクル製品の使用,更には製作過程におけるエネルギー使用率の軽減など,地球環境に配慮したものづくりを実施すると共に,技術者の倫理を向上できる大会としています。
全国高等学校ロボット競技大会は,全国産業教育フェアのなかで開催され,開催地である都道府県の特色を生かしたバラエティに富んだ競技内容になっています。
鹿児島県内の工業系学科のある高校が全国大会をめざします。全国大会へ出場するためには,知識やアイディアを生かしながら,正確な加工技術や度重なるロボットの改良と操作練習に励まなければなりません。毎年開催される県大会(全国大会県予選)では,全国大会出場をかけて熱い熱い戦いを繰り広げます。
とちまるくん,ルリちゃんをマスコットキャラクターとする栃木県は,四季折々の美しい自然,豊富な温泉,いちごや和牛,湯波(ゆば)などの多彩な特産物,益子焼などの伝統工芸品,各地に根付いている伝統芸能など魅力的な観光資源に恵まれている。その中でも世界遺産に登録された日光の社寺が有名である。本競技は,徳川家康を祀る東照宮を中心に,日光杉並木・日光二荒山神社・いろは坂・中禅寺湖を巡り,アイテムの奉納等を行い,その完成度を競うものである。
競技時間は3分間。競技は,とちまるくん(リモコン型ロボット:以下「とちまるくん」と記述)とルリちゃん(自立型ロボット:以下「ルリちゃん」と記述)により,各種アイテムを指定されたエリアに設置する。また,「とちまるくん」・「ルリちゃん」の連携によりアイテムの輸送,受け渡しをおこなうことで得点し,その合計を競うものである。
「とちまるくん」は,とちまるくんスタートエリアから出発し,日光杉(アイテムB:メガホン)を杉並木エリアで回収し,東照宮エリア内にある心柱に五重塔(塩ビパイプにメガホンを5個重ねる)を建立する。ただし,メガホンの径が大きい方を下向きに設置すること。重なり具合や傾きは考えず,心柱として設置した塩ビパイプの先端がメガホンの上に出ていればよい。競技開始後,心柱は心柱配置場所から東照宮エリア内であれば移動させてもよい。
五重塔は「とちまるくん」の接地面がすべて東照宮エリアに入った状態で完成させる。
「とちまるくん」は,とちまるくんスタートエリアから出発し,宇都宮エリア内にある。いちごエリア,ぎょうざエリア,かんぴょうエリアより,いちご(アイテムC:卓球ボール),ぎょうざ(アイテムD:ゴルフボール),かんぴょう(アイテムE:硬式テニスボール)をそれぞれ回収し,杉並木エリア,神橋エリアを通過して東照宮エリアの奉納台に奉納する。ただし,日光杉,いちご,ぎょうざ,かんぴょうは2種類以上を同時に保持した状態でエリア間を移動することはできない。また,途中で落とした場合は再回収できない。
奉納台は3段になっている。上段からいちご,ぎょうざ,かんぴょうとし,各6個,塩ビキャップまたは異径ソケットの上に奉納するものとする。奉納場所を間違えた場合は得点としない。また,競技終了時の奉納状態で得点集計を行うものとする。
奉納は「とちまるくん」の接地面がすべて東照宮エリアに入った状態で行う。
「ルリちゃん」は,ルリちゃんスタートエリアを出発し,いろは坂を下り,二荒山神社エリアの的保管エリアより流鏑馬の的(アイテムA:コンテナ)を回収し,中禅寺湖エリアへもどる。その後,「とちまるくん」との連携による流鏑馬奉納を,中禅寺湖エリアの流鏑馬奉納エリアで行うものとする。この流鏑馬は”的を射抜く”のではなく,”矢を受け取る”で考え,「とちまるくん」が放った矢を「流鏑馬の的」に入れるものとする。
「ルリちゃん」との連携による流鏑馬奉納は,神橋エリアに「とちまるくん」の接地面がすべて入った状態で発射するものとする。なお,矢は3回発射できるものとし,「流鏑馬の的」に矢が格納された数で得点が決まる。
流鏑馬の矢を3つ「とちまるくん」内に保持した状態でなければ東照宮への奉納および,五重塔建立は行えない。一つでも流鏑馬の矢を落とした場合,リスタートまたは競技終了を宣言することができる。(流鏑馬の矢の奉納は可能である。)なお,途中で落とした矢やアイテムは再度回収することができない。
五重塔完成,アイテム奉納,流鏑馬の矢の奉納の順番はないが,流鏑馬の矢を3つ発射した後は「とちまるくん」は神橋エリアを出ることができない。
県大会上位3チームが10月27日に栃木県日環アリーナ栃木で行われた全国大会に出場し,1チームが入賞(敢闘賞)しました。