9月6日(土)14:10~15:40
会場:BNC101/オンライン
講演者:
千葉商科大学前学長・ 東京科学大学名誉教授
演題:
講演概要:
2025年3月の知の総和答申が示す「大学大淘汰時代」の到来は、各大学に持続可能な組織へと不断の改革を迫っています。本講演では、「自然エネルギー100%大学(電気)達成」という千葉商科大学の実践を通して、大学が社会における確固たる立ち位置を確立し、その存在意義を明確にするためのヒントを探ります。
教員時代に掲げて、学長就任後、学生・教職員との協働により見事に達成したこの目標は、単なる環境負荷低減に留まらず、「やればできる」という可能性を社会に示し、脱炭素社会への転換を促すリーダーシップを発揮しました。このプロセスを通じて、学生や教職員は単なる「机上の学問」ではなく、「実学」として省エネ、総エネについて学び、実践する貴重な機会を得ました。これは、将来の社会を担う人材育成において不可欠な要素にもなります。
また、「商いの力で社会を変える」という視点から、再生可能エネルギーの供給不安定性を補完し、地域分散型エネルギー社会の形成に貢献する事業展開の構想は、大学の独自性を際立たせ、ブランド力の向上に大きく寄与しています。
(講演者より)
私たちの経験から以下の4点について、具体的な事例を交えてお話できればと思います。
「社会への貢献とリーダーシップの発揮」
「教育機関としての使命と実学の推進」
「地域貢献と地域分散型エネルギー社会の構築」
「大学のブランド力向上と独自性の確立」
特に、大学組織としての活動の前に教職員や学生による自主的な活動が重要で、そのうえでのボトムアップとトップダウンの組み合わせが大切です。そこで、大学構成員の自主性を尊重することの重要性について、例えば、学部長(Dean)と学長(President)との関係などにも触れたいと思います。
「まず隗より始めよ」の精神で実現した私たちの取り組みが、今後日本中に広がるであろう「自然エネルギー100%大学」の輪を繋げ、各大学が地域社会に必要とされる存在となるための示唆となれば幸いです。本講演が、皆さまの組織の不断な改革を推進する一助となることを願っています。
講演者略歴:
1975年4月 東京工業大学 工学部社会工学科助手
1976年4月 環境庁国立公害研究所総合解析部研究員、のち 主任研究員(1983年10月まで)
1981年7月 マサチューセッツ工科大学客員研究員(1982年7月まで派遣)
1983年11月 東京工業大学 工学部社会工学科 助教授、のち 教授
1993年4月 放送大学 客員助教授、のち 客員教授(2009年3月まで併任)
1997年3月 ロンドン大学客員教授、スイス連邦工科大学客員教授(12月まで派遣)
1998年4月 東京工業大学 大学院総合理工学研究科教授、のち 研究科長(2012年3月まで)
2006年4月 東京工業大学 評議員(教育研究評議会)
2012年3月 東京工業大学 定年退職(4月 東京工業大学 名誉教授)
2012年4月 千葉商科大学 政策情報学部 教授
2014年4月 千葉商科大学 政策情報学部 学部長
2016年5月 CUCエネルギー株式会社設立(原科幸彦、鮎川ゆりか、山口勝洋の3者で創業)
2017年3月 千葉商科大学学長(2025年3月まで)
2019年1月 発電量と消費エネルギー量を同量に=自然エネルギー100%大学 達成
2019年8月 電力調達を100%再生エネルギーで達成
2021年6月 「自然エネルギー大学リーグ」発足 代表世話人
●オンライン参加の場合は視聴のみで、ご質問等はお受けできません。あらかじめご了承ください。
本講演は記録のために録画いたします。
9月13日に開催される、自然エネルギー大学リーグの特別フォーラムのご案内です。ぜひご参加ください。非会員の方も参加できます。
日 時:2025年9月13日(土)12時30分~16時30分(開場12:00)
場 所:慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスτ12教室(タウ館1階)
テーマ:大学キャンパスと地域のゼロカーボンの連携
概 要:基調講演には、環境省脱炭素先行地域評価委員会座長代理を務める藤野純一氏(地球環境戦略研究機関プログラムディレクター)をお招きし、脱炭素先行地域の取組みなどについてお話を伺います。続くパネルディスカッションでは、企業等で構成する気候変動イニシアティブ共同代表の加藤茂夫氏、建築家で学校断熱を推進している内山章氏、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスでの環境活動を主導している一ノ瀬友博氏、千葉商科大学で自然エネルギー100%大学プロジェクトを進めている手嶋進氏が登壇し、大学と地域とのゼロカーボンの連携について議論を深めます。
プログラム:
エクスカーション(12時30分~13時15分)キャンパス見学
第Ⅰ部(13時30分~14時30分)}
主催者挨拶 原科幸彦(東京科学大学名誉教授、千葉商科大学前学長)
開催校挨拶 駒形哲哉(慶應義塾常任理事、慶應義塾大学経済学部教授)
基調講演 藤野純一(地球環境戦略研究機関プログラムディレクター)
支援団体会員紹介
第Ⅱ部(14時45分~16時30分)パネルディスカッション
ファシリテーター 平田仁子(クライメートインテグレート代表理事)
パネリスト 加藤茂夫(気候変動イニシアティブ共同代表)
内山章(エネルギーまちづくり社取締役・建築家)
一ノ瀬友博(慶應義塾大学環境情報学部長・教授)
手嶋進(千葉商科大学人間社会学部教授)
交流会(17時~18時)(参加費3000円)(辻堂駅行バス18:17発/湘南台行バス18:20発)
参加をご希望の方は、以下からご登録をお願いいたします。
https://forms.gle/ChTn7RkPeWjsDMc3A
主 催:自然エネルギー大学リーグ
共 催:慶応義塾大学
カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション・ ゼロカーボン・キャンパスWG
連絡先
自然エネルギー大学リーグ・事務局長
田中信一郎、千葉商科大学 人間社会学部 教授
E-Mail: tanaka.shinsyu.shinichiro@gmail.com
大学:〒272-8512 千葉県市川市国府台1-3-1
URL:https://www.cuc.ac.jp/