A Pentagram for Dolls / 27min.
IAMAS 2021
マルガサリ 特別公演『人形たちのための五芒星』2021年2月23日(火・祝)IAMASよりライブ配信 16:00-ガムラン演奏:マルガサリ
大井卓也 谷口かんな 中川真 西真奈美
西村彰洋 森山みどり 柳野伽耶
スリン、ルバブ 演奏:ほんまなほ
悪魔(AR camera):林暢彦
作曲:三輪眞弘
映像:前田真二郎
音響:牛山泰良
ARプログラミング:伏田昌弘
協力:西本昂生 石田駿太
またりさま人形(2003) 制作:小笠原則彰
主催:タイムベースドメディア・プロジェクト
マルガサリ特別公演
IAMASのタイムベースドメディア(TBM)・プロジェクトでは2018年度よりガムランアンサンブル、マルガサリの支援を得ながらガムラン音楽サークルを運営し、IAMASや学外イベントにおいてその成果発表やマルガサリの公演などを積極的に行ってきました。3年目の今年度はコロナ禍によってやむなくこのサークル活動も休止に追い込まれましたが、2019年9月19日深夜に岐阜市のサラマンカホールから配信された「三輪眞弘祭 -清められた夜- 」(無観客ライブ)の3時間に及ぶ公演では三輪眞弘の新作「鶏たちのための五芒星」がマルガサリを中心にその他多くのアーティスト達によって初演されました。残念ながら今年度一杯でIAMASが借りていたガムラン楽器も返却し、サークル活動も終了しますが、3年間にわたるTBMプロジェクトとマルガサリの最後のコラボレーションとしてAR技術を用いた三輪眞弘の新作「人形たちのための五芒星」を前田真二郎によるライブ配信=中継芸術作品として発表します。
/ IAMAS2021イベントページより
人形たちのための五芒星
A Pentagram for Dolls
「コンピューターの動作を模倣する人間を模倣する機械」として「またりさま人形」は 2003年、小笠原則彰によって制作された。8体の人形はそれぞれ水流(位置エネルギー)によって駆動される 1ビットのメモリーを備えた排他的論理和(XOR)演算子として作動する。
この人形も含めて「またりさま」から現在にまで至る「逆シミュレーション音楽」という方法論が誕生する出発点となった作品、《ハープのための「総ての時間」》が初演されてからの 20年を振り返り、この機械式記号処理装置を祀る儀式を、最新作の「鶏たちのための五芒星」で考案された演算システムによって行うことにした。
すなわち、五角形の辺と対角線を規則に従って移動するパフォーマーと、その移動をその場で生成される楽譜として読み替え、ジャワ・ガムランの様式で奏でる「傍観者」たちによる演奏である。ただし、「またりさま人形」は物体として実空間に置かれるものの、前作のパフォーマーたちは非物質化された記号(3D オブジェクト)に替わり、その移動の様子は AR(拡張現実)カメラを通してでしか見ることができない。前作同様、ライブ配信を前提とした前田真二郎との「中継芸術」の試みである。
Feb. 2021 三輪眞弘
・補足資料
《ハープのための「総ての時間」》
「篠崎史子ハープ の個展 VIII」東京文化会館小ホール
(初演 2001)プログラムノート
三輪眞弘によるテキスト「またりさま人形と畏祠多宮信仰」
(日本語はページの下部)
またりさま人形 3D(2003) 制作:桜木美幸