西小学校

長寿命化基本方針

西小学校長寿命化基本方針を策定しました

長寿命化基本方針策定にあたって

背景

本市の学校施設は、昭和40年~50年代の児童生徒数の増加を受けて、昭和50年代を中心に建設されました。近い将来、こうした学校施設の多くが耐用年数を迎え、改修や更新が必要となります。しかし、人口減少、少子高齢化等にともなう財政負担が増大する中、施設の改修や更新費用の確保が課題となっています。

一方、学校施設は、子どもたちの学習の場として充実した教育活動を展開できるよう、機能性とともに、快適で十分な安全性、防犯性、衛生的な環境を備えた安全安心な教育環境を整えることが求められています。

西小学校は、太陽校舎の外観から、学校としてだけでなく、地域の核として七日市・黒川地区の方々に親しまれてきました。しかしながら、校舎、屋内運動場共に建設から40年以上が経過し、外壁、内装等、施設の老朽化が顕著に表れています。

また、西小学校は令和9年4月1日に黒岩小学校との統合を予定しており、統合を見据えた学校施設の整備が必要となります。

目的

本基本方針策定の目的は、西小学校における施設の長寿命化改修にあたり、施設の抱えるさまざまな課題や児童数の推移、学校の再編など情勢の変化を踏まえ、本市が目指すべき教育環境とするために、施設整備の基本となる方向性を定め、今後改修工事に係る、「基本設計業務」及び「実施設計業務」を行うにあたっての基本となる事項を策定することにあります。

基本方針の策定にあたり、学校教職員、保護者、地域の意見を反映するために、ワーキンググループを設置し、「施設整備にあたっての基本的な方針」と、「施設の空間構成など機能や規模の整備方針」について検討及び整理を行いました。

施設の長寿命化とは

学校施設の老朽化対策を効率的、効果的に進めるための改修方法です。大きく分けて以下の2種類の工事を実施します。

建物の耐久性を高める工事

① 劣化したコンクリートや鉄筋の保護

② 耐久性に優れた仕上げ材への取り替え

③ 水道、電気、ガスなどのライフラインの更新


建物の機能や性能を向上させるための工事

① 非構造部材の耐震対策、防犯対策等、安全安心な施設環境の確保

② 多様な学習活動の実現、ユニバーサルデザイン化等、教育環境の質的向上

③ 地域コミュニティの拠点形成を図るもの

また、適切なタイミング(概ね築後45年程度まで)で長寿命化改修工事を行うことで、改修後30年以上建物の寿命を延ばすことができます。

さらに、長寿命化改修工事には以下のようなメリットがあります。

(ア) 建替えと比べて、構造体工事の減少による費用の縮減と工期の短縮を図ることができます。

(イ) 建替えと比べて、構造躯体を再利用するため、環境負荷量(廃棄物排出量や二酸化炭素発生量)を削減させることができます。

(ウ) 施設全体の改修となり、外観や内装が一新されるため、建替えと同等の効果が期待できます。

基本的方針

(1)安全性に配慮した施設整備

安全安心な教育環境を確保するため、施設設備の安全管理、防犯、自然災害発生等の観点から十分な対策を講じた施設を整備します。また、将来にわたって長く使い続けることができるように、ライフサイクルコスト、予防保全の観点を踏まえつつ、建物の機能や性能を高めます。さらに、工事における安全管理・安全確保を徹底するとともに、児童の教育環境の確保に最大限配慮します。

(2)生活環境の質的向上

児童や教職員の健康で快適な生活環境の実現及び学習意欲の増進に寄与するよう、採光、通風、換気等を考慮するとともに、温かみのある生活空間を創造します。また、学校を利用する全ての人にやさしい施設となるよう、ユニバーサルデザインに配慮し、バリアフリー化を行います。

(3)教育環境の充実

多様な学習内容・学習形態に対応が可能な、新しい時代の学びに即した機能的で柔軟性のある、創造的な学習空間を整備します。また、情報化の進展に柔軟に対応できるように、これからの時代にふさわしいICT環境を整備します。

児童の個々の教育的ニーズや特性に対応するため、多様性に配慮した整備を行います。また、SDGs注1の視点から、学校施設のZEB化注2を推進します。

(4)地域連携の推進

地域に開かれた学校として、地域や家庭との連携を推進し、学校開放を踏まえた施設を整備します。

(5)地域の拠点・核となる施設整備

地域に根ざし、地域の拠点形成を図ることができる施設整備を行います。また、地域の避難所としての防災機能を高める整備を行うとともに、地域への開放を想定したセキュリティを確保します。

注1 SDGs(Sustainable Development Goals:エス ディ ジーズ):2015年9月の国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載される、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。

注2 ZEB(Net Zero Energy Building:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル):「地球温暖化対策計画」(2021年10月22日閣議決定)の第3章第3節において、2030年度末までを計画期間とし、国の率先的取組として「新築建築物におけるZEBの実現(平均でZEB Ready相当を目指す。)」とされている。ZEBは、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物のこと。

長寿命化改修工事の実施計画

以下のスケジュールを予定しています。