SS課題研究Ⅱ
(K1班〜K9班)
第59回生 理数科
K1.最も優れたパラボラの形状を目指して
パラボラを用いた音力発電において、パラボラの形状変えたときの発電量の変化を調べる。パラボラの材料は、主に段ボールを用いてパラボラを作成しパラボラの焦点距離を変化させることによって、定量的にパラボラの形を変化させた。実験の結果、焦点距離を長くすることにより、発電量の増加が確認された。展望として、このまま焦点距離を長くして行った時の発電量はどこまで増加するのかを調べたい。
K2.安価な風洞を目指して
安価な風洞装置の制作を目指して課題研究を行った。とても大きく高価な風洞は学生の実験などに用いることができないため、卓上で使用できるサイズでかつ性能の高い風洞の作成に取り組んだ。まずは56回生の先輩の先行研究と同様の風洞を作成し、検証した。その検証方法だが、京都工芸繊維大学の村田教授から頂いた意見で、風洞の中に格子を通してその交差する点に糸を通すことでその傾きの分散を調べることで性能を測るというものになった。また、教授に縮流器をつけると良いと言われ、作成した。しかしきれいなカーブで作るのは難しかった。今後の課題としては傾きの分布を調べる方法を探ることと、きれいなカーブでの縮流器の作成だ。
K3.紙竹とんぼの浮揚
伝承遊びの普及をさせるため、機能を向上させようと思った。竹とんぼに焦点を当てた。実験①では羽の長さと角度を変えて滞空時間を測る実験した。結果、最も長く、最も小さい角度の羽が飛んだ。竹とんぼが受ける揚力が最大であり抗力が最小であるからだと考えられた。実験②では羽根の形状を変えて同じ条件で実験をしたら、同じような結果が得られた。こちらも同じ考察である。しかし、平均的に見ると実験②で採用した先細りの形の羽のほうが滞空時間が長かった(実験①で採用したのは先太り)。羽の回転速度が向上していたことが要因だと考えられた。今後は羽根の形状を細かく変化させて調べていきたいと思う。
K4.糸の素材とろ過性能の関係について
本校の先行研究で、布の種類とろ過の関係について研究をしていて、その結果がジーンズが最も良いということがわかった。そこでなぜジーンズがろ過に適しているのかを研究することにした。使ったものは、カオリナイトという鉱物、同じ織り方で8種類の糸でできた布、注射器、発泡スチロール。方法は、カオリナイトを水に混ぜて1000mg/Lになるようにする。穴の空いた発泡スチロールの上に布を置き、注射器を使ってそこにカオリナイトの入った水を通した。通す前の布の重さと、通した後の布の重さを測り差を求めことで布にどれだけカオリナイトが付着したかを求めて比べた。その結果、綿がろ過に適していることがわかった。
K5.落下の衝撃を軽減する構造の探求
近年注目が集まるドローン配送だが、商品の保護に関する研究は行われていなかったため、従来の構造よりも適した構造があるという仮説の元この研究を始めた。始めに、直方体と正二十面体を同じ条件で落下させ衝撃値を計測した。結果として直方体が正二十面体に比べて衝撃を軽減する事が分かった。次に比較しやすくするためパラシュートを用いた、正八面体を加えた3つの構造の実験を行った。落下速度は等しくなり、面の数が増えるほど衝撃値が大きくなった。以上より、辺が長い直方体が変形し衝撃を軽減しているのではないかという考察に至った。
K6.白金箔を触媒とした水素燃焼反応のメカニズムの再検討
加熱処理した白金箔に水素を吹きかけると白金箔が正触媒として働き、水素燃焼反応が進行する。一般に、白金触媒においてLangmuir-Hinshelwood機構が反応機構として支配的であるとされているが、事前実験において白金の片面を両面テープで塞ぐと水素燃焼反応が起こらなくなるという現象を発見した。実験の結果から、白金箔を触媒とした水素燃焼反応は水素と酸素がそれぞれ白金箔の別の面に解離吸着され、活性錯体となり、白金箔を通して電子の受け渡しを行うという電池的な反応により起こると考察した。
K7.線香花火の品質、性能に影響を与える要因について
私達は400年の歴史のある線香花火を海外でも広めるためにインパクトのある線香花火を作ろうと考えてこの題材にした。最初に市販の線香花火を元に自分達で線香花火を作り、その結果から適切に作れているかどうかを考察をした。次にそのこうさつを利用して杉炭、備長炭、竹炭、マングローブ炭の4つを使ってもう一度自分達で線香花火を作りその燃え方を観察してどの線香花火が1番適切かを調べた。
K8.バレンシアレモンに含まれる蛍光物質を探る
参考文献より、腐敗したミカンに紫外線を照射すると蛍光を発することがわかっている。これはミカン果皮内部に蛍光物質が含まれていることと、腐敗が進むに連れて内在する蛍光物質が表皮に発現するためである。私達は、柑橘類の一種であるバレンシアレモンでも蛍光を発するのか興味を持ち実験を初めた。内部に含まれる蛍光物質を抽出して分析したところ、新種だと考えられる蛍光物質を確認した。
K9.ロクショウグサレキンの繁殖と色素抽出
ロクショウグサレキンは、繁殖する際に青緑色の色素を放出し木を青緑色に変色する特徴がある。化学染料は生成する際に環境を汚染する物質を発生することから我々は、ロクショウグサレキンから染料を作るために色素の抽出と培養の実験を行った。培養の実験では、クヌギのおがくずを使用した固体培地で実験を行ったが、変化は見られなかった。色素抽出の実験では塩酸、蒸留水、水酸化ナトリウムの水溶液で抽出を試みたが、抽出できなかった。アセトンとエタノールの混合溶液では青緑色の色素の溶液を抽出できた。