学部生の時に交換留学していたフィリピン大学ロス・バニョス校獣医学部にお世話になっています。
当時からの先生、秘書さん、ドームメイトに助けてもらいながら、フィリピンでの研究を満喫しています。
研究機材やラボ環境もこの15年で充実し、ウチのラボよりよっぽど仕事が進みます。
食べ物美味しくて、人が素敵。
フィリピンいいとこ一度はおいで。
助教・獣医師
フィリピン大学ロス・バニョス校獣医学部
College of Veterinary Medicine, University of Philippines, Los Baños, Laguna, Philippines
獣医師
Manila East Veterinary Care
2019年2月1日〜3月2日にフィリピンに滞在し、フィリピンの研究者と学生とともに、サンプリングと実験を行いました。学長裁量経費による「教員の海外派遣」の支援を受けています。
フィリピンの3箇所の動物園より、オウムの糞便117検体およびフィリピン固有鳥種の糞便30検体の合計147検体を収集し、核酸を抽出してPCRによりオウム病クラミジア(Chlamydia psittci)を、RT-PCRによりトリボルナウイルス(Avian bornavirus)を検出した。オウム病クラミジアは2検体で、トリボルナウイルスは5検体で陽性と考えられるバンドが検出された。今後、塩基配列決定により今回得られた結果を確実なものとする必要がある。フィリピンの動物園で飼育されるオウムでは、オウム病クラミジア、トリボルナウイルスとも感染率は低く、良い状態でコントロールされていることが分かった
フィリピンではフィリピンイーグル(Pithecophaga jefferyi)など絶滅が危惧される鳥種が存在する。また、動物とヒトとの距離が近く、人獣共通感染症の危険性が高い。そこで、鳥類の感染症であり、トリで致死的な感染症を惹きおこすトリボルナウイルスや、人にも感染するクラミジアなど、鳥類への影響や公衆衛生上の問題となりうる病原体の疫学調査を行う。また、トリボルナウイルスやクラミジアでは近年新種の発見が相次いでいる。フィリピンにはフィリピン固有の鳥種が存在するためさらに新種が見つかる可能性が高く、疫学調査の過程で新種の発見を目指す。
野生の爬虫類に致死的な神経症状をおこす爬虫類ボルナウイルスの感染状況 を調査する。爬虫類ボルナウイルスは、北米とオーストラリアでしか調査されておらず、日本を含むアジア諸国でのウイルスの感染状況の調査は急務である。さらに、北米とオーストラリアでは感染している爬虫類ボルナウイルスの遺伝子型が大きく異なっており、アジア諸国の爬虫類もまた独自の爬虫類ボルナウイルスを保有している可能性がある。爬虫類は海を渡ることはできないため、特に島国である日本やフィリピンでの調査は興味深い。そこで、日本およびフィリピンの爬虫類が保有する爬虫類ボルナウイルスの遺伝子配列、感染率、および神経症状との関連性を明らかにする。
1. Oronan RB, Sassa Y, Lopes LL. Molelcular Detection of Chlamydia Psittaci in Captive Birds from Three Animal Facilities in the Philippines . 30th SEAZA conference., Nov 20-23, 2022, Bali, Indonesia.
1. Yukiko Sassa, Rey B Oronan, Lester Louis Lopez. Molecular Surveillance of Avian bornavirus in Captive Birds from Three Wildlife Facilities in Philippines. 27th SEAZA conference., Nov 17-20, 2019, Phu Quoc, Vietnam.
2.Rey B Oronan, Yukiko Sassa, Lester Louis Lopez., Molecular Detection of Chlamydia psittaci in Captive Birds from Three Wildlife Facilities., 47th VPAP Annual Scientific Conference., June 6-7, 2019, Manila, Philippines.