創生部のポンチキ
1.ポンチキとは?
ポンチキとは、ポーランドの伝統的なスイーツのことです。
ポンチキの特徴は・・・
1.穴の空いていないドーナツ
2.中にはジャムやクリームがたっぷり
3.ポーランドではポンチキを食べまくる日がある
ここからは、この3つの特徴にそってポンチキについて知っていきましょう!
特徴1:穴の空いていないドーナツ
なんといっても最大の特徴はこれ!ふわふわでドーナツの概念が覆されること間違いなし!さらに、「ポンチキ」を訳すと「つぼみちゃんたち」という意味になるそうで、つぼみを意味するポンチェックの複数形だそうです。なぜそう呼ばれるのかは未だ不明・・・
特徴2:中にはジャムやクリームがたっぷり
ポンチキの中身は様々で、一般的にはジャムやクリームが入れられています。ポーランド現地での定番は「薔薇ジャム」です。薔薇ジャムは、まるで香水のような良い香りがして、日本ではなかなか味わうことのない味でした。その他にも、いちごやラズベリー、ブルーベリーのジャムがポーランドでは売られています。
特徴3:ポーランドではポンチキを食べまくる日がある
ポーランドでは「脂の木曜日」というポンチキを食べまくる日があります。脂の木曜日では、その一日で約1億個ものポンチキが食べられるそうです。元々は、断食直前の木曜日に家にあるラードや砂糖、卵などを食べ切るために始まったものです。そして、この日は「何個ポンチキを食べましたか?」という挨拶で会話が始まるとか・・・
2.私たちがポンチキを作るわけ
ポンチキの始まり
私たちは福井県敦賀市に位置する敦賀ムゼウムにてガイド活動を行い、敦賀の「ユダヤ難民、ポーランド孤児を受け入れた」という歴史を発信しています。(→詳しくはここからご覧ください!)
元々「コロナ差別」からスタートした私たちの活動は、敦賀の歴史を伝えることと結びつき、人々の意識をもっとこれらに向けてもらうため、部員一同精一杯活動を行ってきました。活動の一つであるガイド活動を通じて、たくさんの人たちが私たちの活動を見に来てくださり、自分たちが多くの事を学ぶと同時に微弱ながら彼ら、彼女らに影響を与えることができたと感じます。
多くの出会いの中では、私たちの原点でもあったアウシュビッツミュージアムでガイドをされている中谷剛さんとも実際にお会いし意見を交わすことがありました。中谷さんは繰り返し「歴史を学び、繰り返さぬように行動することが大切なんだ」と私たちに教えてくださいました。私たちはさらにこの歴史を知ってほしいのだという考えの下、よりいっそう活動に力を入れてきました。
でもそこには‘‘大きな壁‘‘があったのです。
私たちがガイド活動を行う敦賀ムゼウムは敦賀の観光スポットとなっており、多くの人が訪れている場所です。しかし、私たちが行うガイド活動は「ある程度関心のある、足を運んでくれる人」にしか響かないのだと痛感しました。
私たちはその大きな壁を乗り越えようと現状を分析しました。
現状分析をしたところ、多くの人は以下の3つの項目に分けられるのではないかと感じました。
1. 関心があり、行動を起こそうとする人
2. 関心があるが、行動は起こさない人
3. 関心がない人
私たちがガイド活動を行ってきた人というのは1つ目、2つ目に位置する人たちです。でも本当に、もっと知ってもらうためには3つ目の人に伝える必要がある!と思ったんです。しかし、それは関心がない人に対しても関心を持ってもらおうと、全員を巻き込んでいく。ということでもあり、少しでも興味を引いてもらおうと大人の人も必死にいろんな分野で努力を行う中、私たち高校生には何ができるのだろうかと頭を悩ませました。
その中、「一つの出会い」がありました。それは顧問の先生が持ってきたポーランドのドーナツ ‘‘ポンチキ‘‘でした。部員全員がおいしく食べているのを見て、「この光景こそ私たちが目指すべき未来だ!」と感じました。
こうして私たちの‘‘ポンチキ‘‘は始まったのです。
初めて作るポンチキと販売
こうして、私達は未来につなげるためにどうすべきかと考えた結果「敦賀ポンチキプロジェクト」という案を進めていくこととなりました。私達はこのプロジェクトを、「食」を通じて歴史を知ってもらうことと、敦賀の新たな名物を作ることの2つを目的として、販売を目指して取り組みました。
しかし、この活動において最も困難であったのが「調理」だったのです。第1回目の調理実習では大失敗…
私達は不安で仕方ありませんでした。そこから試行錯誤を重ね、遂に本場のポンチキにも引けを取らない、創生部作のポンチキを完成させることができたのです。
そこから、ポーランドの「脂の木曜日」をオマージュしたイベント「脂の土曜日」を開催し、およそ1時間30分で完売させることができました。イベント終了後の様子としては、「こんなにも早く売り切れるものなのか」という驚きと、完売の嬉しさに私たちは勿論、先生も喜んでいたのを覚えています。大人の皆さんの協力があって達成できたものであるというのは言うまでもありませんが、それでも私たち高校生がここまでのものを作ることができるのだと知れて、とても嬉しく感じました。
未来まで続くように
これまでは、私達が部活動としてこのポンチキ作りを行ってきました。そのため、私たちが部活動を引退すると、このポンチキのプロジェクトは必然的に終わってしまいます。
しかしながら、私たちはこのポンチキを自分たちの代で終わらせたくない!これからもずっとポンチキが敦賀に残り、多くの方に食べてほしい、そう思いました。
そんな訳で私たちは敦賀にあるパン屋「BAKERYS+(ベーカリーズプラス)」さんにポンチキを商品化していただくことをお願いしのです。
今回、周りの方々の助けも借りながらも、自分たちの力で商品化をしたことで、敦賀の魅力や敦賀の歴史をいろんな人に知ってほしいという気持ちがより一層強くなりました。また、このポンチキが人々や歴史を繋ぐ「架け橋」となることを願っています。