千年災禍の海辺学目次

【目次】

はじめに──反・寺田寅彦学 金菱清

一部:海辺の歴史文化を守る──コミュニティ論

第1章 獅子と暮らす浜──民俗芸能と地域コミュニティの再構築(女川町竹浦) 安田寿典

第2章 「災害危険地帯」で花を植え続ける意味──“元”茶の間での閖上のまちを再現する(名取市閖上) 伊東康幸

第3章 命を守る防潮堤を“拒否する”人々──地域社会の紐帯を守るために(気仙沼市魚町) 佐々木広清

第4章 早期の復興を支えた“沖き出し”──海のアジール論(気仙沼市唐桑) 今野 雄太郎

第5章 おまかない(おすそわけ)のできる浜へ──村落経営としての生活技法(仙台市荒浜) 伊藤智裕

二部:海辺を取り戻す作法──復興論

第1章 唯一「水産業復興特区」に賛成する論理──平等性の原則(石巻市桃浦) 庄司貴俊

第2章 町の存続と漁業を成り立たせる“信頼”──漁業のモラル・エコノミー論(石巻市雄勝) 中坪廉

第3章 「遊び」としてのカツオ節再建──水産加工のマイナー・サブシステンス論(気仙沼市鹿折) 相澤卓郎

第4章 複合経営によって再生される浜の秩序──未来の発言力(松島町名籠) 中川恵

第5章 浜を守ることと品質向上の両立──高齢化しない生産組合(東松島市浜市・野蒜) 菅野航

三部:海辺をともに切り開く──協業化論

第1章 四半世紀におよぶ協業と原発問題──ホッキの共同資源管理と反漁師像(山元町磯浜) 橋元裕香

第2章 ウラとオモテのライバル論──海苔技術の革新と疲弊(七ヶ浜町表浜・浦浜) 佐藤征司

第3章 96人の協業化の試み──社会的ジレンマにメスをいれる取り組み(南三陸町志津川戸倉) 齋藤宇成

第4章 弱者生活権を保障する──災害の所有(石巻市北上町十三浜) 金菱清

おわりに──金菱清