生命保険の見直し

一般的に生命保険に入られている方は、貯蓄型の終身保険と掛け捨ての定期保険に併せて入られていると思います。

定期保険は15年等、ある一定期間が来ると更新する必要があります。

更新型の定期保険は若いうちは掛け金が少なく、補償も比較的少ない保険に入り、子供の成長等に合わせ、補償の大きい保険に変えていくことにより、収入が多くなったなりに保険金額を変えていくというメリットがあります。

一方終身保険は、更新の必要がありませんが、1990年代前半に終身保険に入った人には、転換による終身保険の入り直しを勧める場合が多くあります。

これは、終身保険は入ったときの予定利率で最後まで運用する必要があるのですが、1990年前半はバブル崩壊前の非常に高い予定利率が設定されています。

予定利率とは、簡単な例にいうと、預金の利息と同じと思ってもらえれば良いかと思います。

つまり、予定利率の高い終身保険は利息の高い預金をしていると考えてもらえば良いです。

このため、現在のように運用利回り(預金の利息)の低い状態では、保険会社は赤字になってしまいます。

これが良く聞く逆ザヤと呼ばれる現象です。

通常は保険会社は皆さんから預かった保険金を、他に貸したり、株を購入したり、その他の運用でお金を増やしていくのですが、バブル期の終身保険加入者に対しては、低い利率で運用し、高い利子を払う羽目になっているわけです。

このため、定期保険の更新時に、更新する必要の無い終身保険の転換による更新を勧めるのです。

終身保険に入りなおすと、現在の予定利率での終身保険に加入することになり、掛け金が高くなるのですが、これでは、加入者は納得しないため、終身保険の補償金額を低く設定したり、その他の特約を掛け金の小さい特約に変更したりして、目立たないように工夫します。

このため、保険について詳しくない方は、保険外交員の言われるまま、終身保険を予定利率の低い新しい終身保険に変えてしまいます。

もったいない話です。

もう一度いいます。

終身保険は定期更新と違い、更新する必要は無いのです。

少なくとも1990年前半までに入られた終身保険は絶対に手放してはいけません。

転換という言葉自体の意味もわかりにくいですが、現在の転換の状態は、簡単に言うと、現在までにかけていた終身保険でたまったお金を下取りにして、予定利率の低い終身保険に変更し、以前より高い掛け金を払うということです。

保険の仕組みは複雑で理解が困難ですが、わからないことは納得のいくまで質問しましょう。

予定利率がわからない場合は、担当者に聞いて、計算してもらいましょう。

私の場合も転換を勧められましたが、目の前で転換前後の支払い総額と受け取り金額を計算してもらいました。

もちろん転換前の方が、少ない支払い総額で多くの金額を受け取る結果になりました。

残念ながら保険の担当者はその事実をみても謝罪することはありませんでした。

保険の外交員は加入者のために働いているのか?

保険会社のために働いているのか?

この見極めが重要です。

残念ながら私の保険担当者は保険会社のために働いている方で、加入者のために働いてはいなかったようですが、皆が皆そういう方々ではないと思います。

話を良く聞いて、納得してから判子は押しましょう!