杖道は、長さ4尺2寸1分(約128センチ)、直径8分(約2.4センチ)の白樫の丸い杖を用います。武器としては何の変哲も無い只の杖に過ぎませんが「突かば槍 払えば薙刀 持たば太刀 杖はかくにも 外れざりけり」という古歌があり、槍、薙刀、太刀の要素を兼ね備えた千変万化する多種多様な技を持った武道です。その理念は殺傷を目的とはせず「傷つけず 人を懲らして 戒しむる」と平和的であり、現代に相応しい武道といえます。杖道は形武道ですので、防具は一切使用せず、老若男女、身長、体重の区別無く一緒に稽古できるのも大きな特長です。
(東京都剣道連盟杖道部会HPより)
杖道は、今から400年余り前から伝わる古武術の一つ「神道夢想流杖術」が源流となっています。「神道夢想流杖術」は、夢想権之助勝吉を流祖とし、太刀に対する64本の杖術形と12本の剣術(神道流)が伝承されてきました。流祖は剣術の達人でしたが、宮本武蔵との立ち合いに敗れたのち、筑前(福岡県大宰府)の宝満山に籠り、厳しい修行を経て杖術を編み出しました。その後、武蔵と再び立ち合い、勝利したとも伝えられています。
夢想権之助により創始された「神道夢想流杖術」は、明治維新まで黒田家福岡藩のお留流として脈々と伝承され、明治維新後、白石範次郎や清水隆次らによって普及、全日本剣道連盟加盟を経て現代に至っております。
「神道夢想流杖術」、「夢想権之助」に関わる情報は、種々のウェブサイトなどに多く掲載されています。また、書籍、各種文献なども多く出版されていますので、それらを参照し造詣を深めていただければ幸いです。