2024年度 受賞作品
2024年度 受賞作品
「健康,教育,観光,地域産業の振興に貢献するテレオペレーション,テレロボティクスのための独創的ロボメカデザイン」
● 2024年度 審査委員および全体講評
(準備中)
「少子高齢化社会」を背景に、次々と社会的課題が出現し、それにどう対応するか、正確な答えが見つからない難しい時代を生きていく若い世代の皆さんが考え抜いたプレゼンだと感じました。
どれも素晴らしいアイデアコンペだったと思います。接戦ではありましたが、結果については審査員の皆さんがほぼ同じような判断をされたのではないかと思います。
年々、自分たちが設定した課題について、その要因や背景の分析、根拠となるデータ調査をしっかりと行っており、「自分たちの思い込みだけではない」という課題設定理由に、説得力を感じることができています。
特に今年はデータ調査だけでなく、実際にインタビューを行い、その内容を発表したチームもありました。このような取り組みにより、設定した課題の内容にしっかりとした「説得力」を感じ、現実的な課題だという印象を受けました。
また、ここ数年にはない新しいアイデアを発表してくれたチームもあり、今年は本当に私自身の視野も広がりました。
参加してくださった皆様、そして審査員に迎えていただいた関係各位、本当にありがとうございます。
昨年もお伝えしましたが、この『フューチャードリーム!ロボメカデザインコンペ』は、「夢」と「現実」の両方を語れる素晴らしいコンペだと思います。
ロボットによってもたらされる課題を解決した社会の「夢」と、その「夢」を実現するためのロボットをいかに「現実」のものとして考え、課題やコストなどを踏まえていけるか。
これからも皆様のさまざまなアイデアを楽しみにしています。
今回は方向性の異なるユニークなテーマが揃い、プレゼンテーションも含めてとても楽しいコンペでした。しかし、ここ数年の審査を経験して私が特に気づいたことは、皆さんの提案のほとんどが機器や機械的に機能する原理モデルのレベルで留まっているのではないかということです。多くの皆さんが工学部や理工学部で学んでいるため、その観点から見た「正しい解」というものはそれで良いと思います。ただし、本「ロボメカ・デザインコンペ」では、実用性や実現への説得力、造形性など、実際に製品化される可能性についての審査・評価も行われています。
機器的・機械的にうまく機能するモノを、さらに人が使い、また周りの人や環境とどのように最善の関係を持てるかという点まで考えてほしいと思います。「さまざまな人のために」と言いますが、小さな子供、大人、老人といった異なる層にとって望ましいモノは必ずしも同じではありません。操作、視認、運搬など、身体差や能力差がモノのあり方に影響を与えるはずです。
例えば、<ナマケモノ(福岡大学):ウィルチェッド>の提案でも述べましたが、まずは図面に対象となる人間を描き入れてみてはどうでしょうか。<ラナンキュラス(九州産業大学):連れカーエル>では、幼児が乗ると本体が大人の身長より高くなるのではないかと危惧しました(結果として杞憂でしたが)。立った大人と幼児が乗車した側面図を描けば、大きさを正確に把握できます。さらに、混雑した商業施設での「連れカーエル」の使用状況を示す画があれば、実際の運用状況の理解が深まるでしょう。<ALD.D.製作委員会(福岡大学+九州大学):汎用連結型ディスプレイドローン「ALD.D.」>も同様に、混雑した観光地での運用の様子を側面図で示し、人とドローンの距離関係を明らかにすることで、ディスプレイが実際に見えるのかといった評価を正確に行えます。これらは審査員のためではなく、皆さんが自分たちのアイデアを検証するために本来必要なことなのです。
最後になりますが、残念なことに今回のチームには女子学生がいませんでした。また、外国籍の学生や芸術系の学生の参加もありませんでした。これは先生方にもお願いしたいことですが、次回からは芸術系の学部を持つ学校とのコラボレーションを積極的に働きかけ、異なる分野の学生の参画を促すことで、本コンペのさらなる活性化を図っていただきたいと思います。
興味深い提案が多く、個人的にも新しい視点を得られた二次審査会となりました。参加された学生の皆さま、お疲れさまでした。
全般的に、課題解決と企画に重点を置いた内容が多かったですが、「経済性」の観点をもう一歩深く考察してみると、なぜ実際にそのようなロボットやサービスが世の中に存在しないのかという視点を得られるのではないかと思います。現時点の技術でも解決可能な社会課題はたくさんありますが、その多くは経済性の観点で実現できていないのが現状です。理学とは異なり、工学は必ず経済性が伴う分野ですので、こういったイベントをその考察の機会とされてください。
最優秀作品の「ビニはり君」(近畿大学)は満遍なく高評価で、課題設定や企画だけでなく、プレゼン資料などトータルで評価が高く、満場一致での選出となりました。おめでとうございました。(メカトラックス賞も併せておめでとうございます)
他のチームも十分に評価が高く、二次審査会に参加された皆さんは全員胸を張って自信を持てる内容だと思います。
今後の皆さまのご活躍を楽しみにしています。
本コンペは、毎回、高齢化から観光文化的な要素まで多岐にわたるテーマが取り上げられ、私自身、知らなかった九州各地の課題を学ばせていただいています。今回はその中でも、農業や山間地に関するものだけでなく、迷子問題や図書館といった、より身近でありながら見過ごされがちな社会課題を取り上げてもらった点が特徴的なコンペとなったと思います。
優劣を分けたポイントは何だったかと言いますと、テーマの分析・選定だけでなく、ロボメカ開発において大切な要素試験や検証を行った上で設計・デザインを進めたかどうか。そして、それが実現性への近道であることをどれだけ効果的に訴えられたかというプレゼンテーション能力の差が大きかったのではないかと思います。
また、このコンペを通じて得た経験を通じて、参加された皆さん一人一人が、今後社会に出てもきっと役立つ手法を学べたのではないかと思います。今回の審査は、どのチームも僅差であり、優劣をつけるのが非常に難しいものでした。そのため、表彰はまさに審査員泣かせの結果となりましたが、来年どのチームが三松賞を受賞するのか、今から楽しみにしています。
(準備中)
● 2024年度 受賞作品一覧