● 2024年 最優秀作品・メカトラックス社賞
▶︎ 作品名
ビニール貼りロボット「ビニはり君」
▶︎ チーム名
チームKINDAI(近畿大学)
▶︎ メンバー
●吉田 清哉(近畿大学産業理工学部 情報学科3年)
畠中 七音(近畿大学大学院産業理工研究科 修士2年)
森田 洋輔(近畿大学産業理工学部 電気電子工学科2年)
谷平 学飛(近畿大学産業理工学部 電気電子工学科3年)
端 祐太朗(近畿大学産業理工学部 情報学科3年)
平良 宰史(近畿大学産業理工学部 情報学科3年)
藤田 幸士朗(近畿大学産業理工学部 電気電子工学科2年)
松友 海音(近畿大学産業理工学部 電気電子工学科1年)
井上 悠大(近畿大学産業理工学部 電気電子工学科1年)
● 二次審査講評
■ 審査委員長
新妻 実保子(日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス部門 技術委員長)
(準備中)
■ 審査委員
筬島 修(一般社団法人九州経済連合会 産業振興部長)
私の故郷にもイチゴ農家が多く、ビニールハウスは日常的によく目にしていました。このアイデアの良い点は、ビニールの張り替えがかなりの重労働であることを実際に現場に足を運び、農業従事者に話を聞いた上で解決策を考えたところだと思います。日本のイチゴは海外でも人気がありますが、ビニールハウスの張り替えと同様、収穫時も重労働で担い手が減っているとも聞いています。農家の労働軽減につながるこのようなアイデアが実現し、地元で働いて収益を上げるイチゴ農家が増えれば、地域創生にもつながっていくのではないでしょうか。
他の審査員の方々からも高い評価を受け、堂々たる1位だったと思います。
■ 審査委員
田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
本当に素晴らしいプレゼンテーションだったと感じました。
課題については、データ調査だけでなく現地調査も行っており、設定された課題が「今まさに解決を求められている課題」であることを実感しました。
また、ロボットの使用方法や動作についても丁寧にプレゼンされており、全体的に非常に説得力を感じました。
さらに、商業化の視点も想定されており、「夢」と「現実」の両方がしっかりと伝わる発表でした。
■ 審査委員
加藤 優(元自動車会社デザイナー)
どこの農村でも目にする身近な存在であるビニールハウスの維持管理(張り替え作業)が、このように危険を伴う大変な重労働であったことに驚かされました。現地現物で調査を行い、問題点と解決すべき課題点を明らかにしてアイデア開発を進めたプロセスが、大変分かりやすい説明とプレゼンテーションからもよく伝わってきました。審査員の間でも文句のない最優秀賞だったと思います。
モデルも非常に精緻に作られており、まさにモックアップと呼ぶにふさわしい仕上がりでした。ただ、提案内容が一つのユニットを6個連結して機能するアイデアのように見えますが、審査員から質問があったように、「4個の連結ではだめなのか」あるいは「なぜ一体型にしなかったのか」(例えば、ユニットに分解することで収納時の省スペース性を考慮した等)といった点について説明があれば、デザインの合理性がさらに明確になり、より良いものになったのではないかと思います。加えて、運搬やセット時の利便性を考慮した取手(ハンドル)に関する配慮やアイデアがあると、さらに完成度が高まったでしょう。
最優秀賞、おめでとうございます。
■ 審査委員
永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・ビニールの張り替えという着眼点が具体的で良い
・実際に現地調査をしている点が素晴らしい
・現状の人力での張り替え作業を説明されている点が良い(危険や人手が必要なのがよくわかる)
・コンセプトにつながるプレゼンの流れが良い
・ビニはり君の詳細の前の段階で、どう動くのかとか概要の説明(使用方法㈰の絵のような)が欲しかった
・専用部材ではなく、実際に使用されている部材(パッカー)を使うというコンセプトが良い
・可変式シャフトのコンセプトならびにその説明も分かりやすくて良い
・サブアームの位置づけ(必要性)が分かりにくかった(⇒その後の展示前の説明で理解できた)
・パイプの乗り越えの説明は分かりやすかった(複数車両が必要なのも理解できた)
・1台停止したら他の車両も同時に停止する仕組みも入っていて良い
・商業化の説明も合ってよかった、レンタルの仕組みなども面白い
・ただ、300万の値付けや原価の説明まであればさらに良かった
・ステレオカメラとアームのセンサの役割分担もよく考えられていて良い
■ 審査委員
田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)
今回接戦を制し、見事に最優秀賞を受賞され、おめでとうございます。メカトラ社賞も同時にダブル受賞された今回一押しの研究であったと思います。まず、高齢化と人手不足が深刻な農業の中で、国内第2位の生産を誇る県内イチゴ農家を対象とし、その中で危険で難儀なビニールハウスのビニール貼り作業の問題を取り上げた着眼が良かったです。選定の過程もきちんと現地調査を行ったこともあり、地に足の着いた実現性の高い解決策を提案していることも秀逸でした。アーチに合わせた3両編成、可変式シャフト等のメカ構造はかわいらしい芋虫のデザインと相まってロボメカコンペらしい提案となっていました。ただ、構造がやや複雑過ぎて、もっと簡素化した構造にされたら良いのではと思いますが、背景説明、テーマ選定理由、課題抽出、アイデア・対策立案、検証分析作業などもきちんとまとめた素晴らしい発表であったと思います。おめでとうございました。
■ 審査委員
佐藤 和明(小代商工株式会社 取締役 営業部長)
(準備中)