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「怪物たちの洞窟」
「怪物たちの洞窟」
ヨーロッパ北部で発見されたとある洞窟に、学術調査のため科学者たちが入ったのは三日前のことだった。
誰一人中から、戻ってくることはなかった、そして救助のために入ったレスキュー隊も戻ってこない。
いや、一人だけ戻って来た。その一人だけ戻ってこれたレスキュー隊の隊長は言った。
「もう入るな、皆死んだ、殺された」
学者も部下のレスキュー隊員も化け物に殺された、そう言った。
生き残った隊長は、偏執性の精神病と判断され、強制入院となった。
科学者たちとレスキュー隊は崩落により、生き埋めにされたと判断された。
そして、これ以上の救出活動は危険と判断され打ち切られた。
表向きは。
「こいつは悪魔の仕業か?」
グレゴリオ神父はそのいわくつきのじめじめとした洞窟の中で、そんなことを一言呟いた。
大量の人骨を目の前にして。
グレゴリオ神父は、グレートヘルムを被り、素顔は覆い隠されていて、背は2mほどでがっちりとした体格をしている。
彼はバチカンからの依頼でこの洞窟に来ていた、バチカンによるとここは悪魔の巣くう場所らしい。
何か遺体の身分を確認できるものはないかと人骨をの周りを探っていると、グレゴリオ神父は、視線を感じた。
いくつも、いくつも。
人の物とは違う、無機質で、それでいて殺気に満ちた視線を。
「悪魔どもか?」
グレゴリオ神父の目の前に巨大なクリーチャーが姿を現した。
巨大な百足とも芋虫とも取れるような馬鹿でかい虫だ。
「悪魔〈デビル〉なのか?いや違うようだな」
粘性をもった液体を口から垂らしている、どうやら食事の時間らしい。
「古代生物の生き残りか?それともどっかの伝説〈フォークロア〉に出て来る怪物か?」
巨大なクリーチャーは、質問に答えずグレゴリオ神父に襲い掛かった。