『調査』は、自分たちが作るアプリケーションがどれだけ他と違うのか、インパクトがあるのかを明確に示すための『材料集め』です。どんなものを『作りたいか』については、皆さんがそれぞれに持っている自分の思いのたけがあると思いますので、それを会議などで一生懸命話せば良いのですが、一方で、どんなものを『作ったらいいのか』については、自分の主観だけではなく、『客観的』な判断が必要となります。
どのように、資料や、意見を集めて、良いものを作るか、ここでは『調査』について、考えてみたいと思います。
調査は、6W2Hと呼ばれる『対象』を明らかにして行われます。通常、5W1Hと言われる『疑問形』について、記事や小論文などでは纏めるのですが、調査では『対象』ですので、少し幅が広いです。
また、調査では、調査する対象と、どれくらいの範囲を網羅するかによって、難易度が変わります。
皆さんのアイディアが、本当に新しく、全て自分が理論から作り上げた、という事はほとんどありません。(が、たまに、本当にそのような天才もいるので、一概には言えませんが…)
皆さんのアイディアは、何かの知識や、ほかの人が調べた調査の上に成り立つものです。
そういった、既に行われた調査などをもとに、皆さんのアイディアが正しく立てられているかは、世の中にある文献を調査しなければいけません。
特に、パソコン甲子園においては、テーマに対しての『ツール』を作ることですから、その『ツール』が社会的に有用かどうかというのは、社会に対してのアンケートや、実態・実勢の調査を、自分たちだけではなく、ほかの人が行ったものの上で行う方が有利ですし、自分たちよりもしっかりしたやり方で、たくさんの人が携わって行われていますから、信頼性が高いものとなります。
文献調査では、こうした『ほかの人がしたこと』を調べて、この世の中がどのようになっているのかをまとめます。特に、近年では、インターネットがありますので、特定の『キーワード』をもとにGoogleやYahooなどで検索し、その検索した情報から、世の中の状態をまとめると、非常に良い調査を行うことができます。
文献調査で注意する点は次の3点です。
特に、文献調査で、社会的な背景を調べる場合は、国や県で収集している情報を調べることが、はじめの一歩になる可能性が高いです。例えば、『学校』の事について調べたいのであれば、『文部科学省 - 白書』のページから、教育と学校の事について、詳細な情報が掲載されています。
また、文献調査で、技術的な背景を調べる場合は、ブログやニュースなどの記事を参照しても、その元となる文献や情報を探しに行ってください。例えば、『無料もたくさん。幼稚園〜小学校の子どものためのプログラミングお手軽アプリまとめ - Gizmode』というページから、最近のプログラミングアプリについて調べた場合、そこから、『Scratch Jr』のページを見て、しっかりとその中の事を把握して、調査の1つに加えましょう。
文献調査は、他の人が収集した一次情報を集めて、それで今の世の中を把握することでしたが、『実態調査』では、自分が一次情報元となって、その情報を集めるというものです。それだけ、価値が高いですが、非常に時間とコストがかかります。
実態調査のやり方は、次のようなパターンがあります。
特に、自分が作りたいと思っているアプリケーションのアイディアが他で実行されていないかどうか?また、そのユーザーインターフェースが使いやすいかどうか?などの調査をしたい場合は、実際にそのアプリケーションを探してきて使ってみるしかないのですが、有料アプリなら皆さん手が出にくいと思います。大抵のAndroidアプリは、ダウンロードページまで有料というものはないので、ダウンロードページまでで判断できるものを集めてくるといいと思います。
パソコン甲子園の企画の中で、市場調査まで行う例はあまりないのですが、もしこの段階まで来ることができて、ある程度自分たちが出したアイディアが世の中で十分使えるという確信が出るならば、ぞれはパソコン甲子園の予選でもし落ちたとしても、実際のアプリケーションを作って世に出す価値があるものと言えると思います。
パソコン甲子園は、皆さんのモバイルアプリケーション作成の意欲を上げるためのものであるとも考えられますので、それがパソコン甲子園ではなくて、よりもっと広い、Google Play Store等の、もっと広いマーケットに羽ばたけるなら、もっと素晴らしいことと思います。
しかし、それが成功するかどうかには、世の中がそれを本当に欲しいと言ってくれているのかどうかを調査しなければいけません。
市場調査や、世情の調査等をすることは、学校では教えてくれない本当に大きい情報と経験を与えてくれます。一方で、人と人とのコミュニケーションで成り立つのがこの『市場調査』ですから、やり方を間違えると、自分が欲しい情報が一つも得られない結果になってしまいますので注意が必要です。
市場調査や世情の調査には、幾つかの方法があります。